2-2-6 残りのエンド鑑定

 ケニーと稽古を始めて半年、私も大分短剣の扱いに慣れてきた。ケニーは相変わらず悪ガキの男の子といった感じである。

 そして、前回エンド鑑定をしてから半年がたった。


 前回鑑定できないものがあったため、予定外に繰り上り、残すエンドは3つ。

ハーレムエンド、征服エンド、破滅エンドである。

 前回までの結果を踏まえると、今回も期待は持てないが、僅かな可能性に望みをかける。

 それにしても、今回残ったものは名前からして、悪役令嬢的には駄目臭いような・・・。

 それでは、笑っても泣いてもこれが最後、いきます。


『鑑定』


 ハーレムエンド。私、魔王になっていました。

 ヒロインとの最終決戦で負けました。死亡


 征服エンド。ヒロインが魔王になっていました。

 私はヒロインに串刺しにされました。死亡


 破滅エンド。私、魔王になっていました。

 ヒロインに最終決戦で勝ちました。

 ヒロイン、攻略対象者全てを奴隷にし、侍らせていました。

 悪役令嬢的にはハッピーエンド?


「お嬢様やりましたね。幸せを掴めるエンドがありましたよ」

「シリー待って。魔王よ。私、魔王になるのよ。それはなしでしょ。それにエンジェルポイントはどうするの。魔王になんかなったらエンジェルポイントがなくなっちゃうわよ」


「そうですね・・・。エンジェルポイントの消費をできるだけ抑えてエンディングをむかえ、魔王になってからエンジェルポイントを荒稼ぎすればいいんですよ」

 シリーが訳の分からないことを言っている。


「だいたい、魔王になったらエンジェルポイントを稼げるわけがないでしょ」

「そんなことはありませんよ。魔王だって善行はできます。人から見たら魔王は悪かもしれませんが、魔族から見たら善です」

「神様的にはそれでいいの、魔王だよ」

「神様は差別しません」

「人のこと、こんなところに落としておいてよくいうよ」


「お嬢様、それでは他の選択肢にしますか。監禁、奴隷、ブタの妻、どれがいいですか」

「どれもいやです」


「わがままですね。いっそ死にますか。蝋人形なんかお勧めです」

「わかりました。わかりましたよ。もう魔王でいいです」


 こうして悪役令嬢は魔王を目指すことになった。


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