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それから三ヶ月の間、二人の手紙のやり取りは続いた。
そのやり取りに変化が訪れたのは、本当に突然の出来事だった。
いつものように文がで紙を書き、赤色のポストに手紙を投函してから、一週間が経過した。その間、加奈の手紙は文の家に送られてこなかった。
二週間、三週間と時間は経過した。
でも、加奈の手紙は送られてこなかった。
文はもう一度、加奈に手紙を書いた。手紙が送られてこないけど、なにかあったの? と書いて、手紙をポストに投函した。
でも、それからいくら待っても、やはり加奈から手紙は送られてこなかった。
それから二人の連絡は完全に途絶えてしまった。
文は加奈の家に電話をしてみようかと思った。中学一年生になった今も、文は自分の携帯電話を持っていなかった。
同じように、加奈も携帯電話を持っていないはずだった。
なので、電話をかけるのなら、加奈の実家にかけなければならなかった。でも、文は加奈の実家の電話番号を知らなかった。
文が知っているのは、加奈の手紙に書いてある加奈の家の住所だけだった。
なので文は、夏休みを利用して、加奈の実家にまで遊びに行ってみることにした。
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