友達
運命
あれから数時間が経ち今では昼休憩。
食堂で1人もぐもぐと食べながら、やはり頭の中にはこの2文字が浮かんでいた。運命だ。やはり間違いないのだ。
「隣いいかな?」
ぼぉーとして箸を動かしていた俺には急すぎて処理しきれない。
今まで俺はぼっちで授業、ご飯、登下校をしていたんだぞ。どれにしても時々、涼香がいたけど。そんな俺に見たこともないだろう男が話しかけてくる上に一緒にご飯か??なにか企んでいるのか?転校生のことか?なんだ?いや、考えても仕方ない。
「どうぞ」
緊張で声が小さくなってしまった。
これでは聞こえてないかもしれ
「それじゃ失礼するね」
あっ良かった聞こえてた。
彼は格好のいい爽やかな顔で爽やかな笑顔を見せそう言い俺の横の席に座った。
こういう奴は俺なんかとは違い人間関係で悩んだりとかしてないんだろうな。
「いきなりでごめんね」
「いや、全然…。」
この単純な会話。これだけでは人間性は分からないと、そう思っているだろみんな。俺もそう思っていた。なんてったって人とあまり関わらないし。ただ今こいつとこの会話をしてようやく分かったぞ。傍から見たら完璧俺は陰キャでこいつは陽キャ。いや、そんなの見た目を見ればすぐに分かる話なのだがそうではなく、喋り方やら仕草、声の大きさなどで見た目が陽キャっぽくても陰キャとばれてしまうのだ。
こりゃ一生彼女なんて出来ないかな。。
「単刀直入に聞くんだけどさ転校生の子いるじゃん。あの子さ可愛くない?」
こういうとこもそうだ。俺は1人で黙々と会話の反省会をしている中こいつはもう次に進んでる。しかも話がチャラい。
「まぁ可愛いな…。」
こういうのは言いなれない。恥ずかしいぞ。
「だよね。君さあの子と知り合いなんでしょ?どういう知り合い?もしかして元カノとか?」
「んなわけないだろ!俺があんな子と付き合えるわけないだろ!あの子は小さい時にちょっと…。色々とあったんだよ!」
ついムキになってしまい大声を出してしまった。周りの人も皆こっちを向いて驚いている。いつの間にか席もたっていてとても目立ってしまっている。これはやばいな。
「すいません」
周りのみんなと隣のこいつにそう言い会釈をして席に着くと彼は楽しそうに笑っていた。
「何が面白いんだよ。」
「いーや。怒鳴られたの久しぶりだったからさ、つい。」
笑って誤魔化してくれたのは助かったけどなんか釈然としないな。
「まぁ!それなら俺頑張ってあのこと付き合うわ!」
「頑張れ」
俺の特別な人間を取られるのではないかと少し不安にはなったがこいつも良い奴だし俺がなんやかんやと言うのもおかしな話なのでとりあえず応援だけしておいた。
「俺は
「俺は
「天彦か。よろしくな!」
聡の爽やかな挨拶に会釈だけ返した。
昼休憩は終わり、聡とは同じ学年らしいがクラスが違うのでバイバイして自分の教室に戻った。なんか友達が出来たみたいでとても嬉しかった。
授業が終わり放課後になった。
友達かのように聡が教室まで迎えに来て方面が一緒の方だったので2人で帰ることに。
教室を出て下駄箱に行くと転校生が居た…。
「あっ!悠姫さーん!」
見つけると同時に聡は爽やか笑顔で走っていった。
「あっ中島くんどうしたの?」
「いやさ?一緒に帰ったりとかしないかなーって!天彦と3人で!」
あいつ今3人で帰るって言ったのか?俺気まづいしただの邪魔者じゃんか!
「聡!俺は用事あるからさ今日は二人で帰ってくれないか?」
さすがに3人は嫌すぎる。
「なんでだよさっきまで一緒に帰ろうって」
「用事思い出してさ!今日は無理だわごめん!」
無理やりに話をまとめてすぐに靴を履き替え2人を置き、先に玄関を後にした。
その後ろで話するふたりの声が小さくとも聞こえて、、とても歓喜を覚えた。
「中島くんって天彦くんと仲良いんだー」
「うん!あいつは俺の《友達》なんだ。」
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