第402話


そして、また2人に負けた・・・。


2人は既に30分前に終わって戻っていたらしい。

時刻は午前11時。


「だってさ、着いた村は、正に襲撃受けてるし、壁は壊れているし、中々巣から出て来ないし、最後は踏み荒らされた畑まで修復したんだから、しょうがないよ?」

と海渡が良い訳していたが、スルーされた。


3人はギルドに戻り、中に入ると、


「え!? まさか??」

と驚きの顔で、受付のおねーさんがこっちを見て居る。


海渡が、笑いながら、頷くと、

「えーーー!!もう終わったんですか!!!」

と大声で叫んでいた。


海渡は、村の状況を最初から報告し、次はフェリンシアとステファニーさんがフォレスト・ウルフ狩りの報告をしていた。

そして、再度訓練場に赴き、


一生懸命査定中のおじさんの横に、蟻の山を出して行く。

一応気を遣い、雑魚蟻の横にキラー・アンツ・リーダー15匹、キラー・アンツ・クィーン1匹を並べておいた。

そして、その隙間を見つける様に、今度はフェリンシアとステファニーさんが、フォレスト・ウルフの山を築く。

ブラック・フォレスト・ウルフを別個に置いて終了www


査定のおじさんが、orz状態で、血の涙を流している。

そして、凄く恨めしそうな顔で受付嬢のおねーさんを睨んでらっしゃるw


「お前か!こいつらの仕事を増やしたのは!!!」と言いたげな雰囲気だった。



「なんか、あの様子だと、今日中には終わらない感じですよね?」

と海渡が言うと、


「はい・・・、すみません。」

と下を向いている。


「あ、ギルドに取って、有益な話あるんですが、ここにギルドマスター呼んで来て貰えませんかね?」

とおねーさんに言うと、


「少々お待ち下さい。」

とピューッと走っていった。



暫くすると、ギルドマスターがやって来た。

「俺に話しがあると言うのは、君達か? 何か良い話があると聞いたのだが?」

とギルドマスター。


そこで、海渡が提案する。

「時空間倉庫作りませんか? 今なら格安価格の白金貨20枚で請け負いますけど? これだけの素材、腐ると意味ないですよね?

時空間倉庫なら、時間経過が0なので、いつでも新鮮。更に容量無制限だから入れ放題。魔石はオークの魔石3個で、10年ぐらいは十分保ちますよ?

魔石さえ交換すれば、ズーーっと使えますよ? 時空間倉庫と一緒に『英断をした伝説のギルドマスター』として、名前が受け継がれますよ?

例えば、今は市場に出すと、シーズンだから安く買いたたかれるけど、あと3ヶ月待てば品薄で2倍の価値になる・・・とか色々ありますよね?

その場合、時空間倉庫で寝かせておけば良いんですよ。 どうよ?」

と海渡が言うと、


「マジか! そんなの作れるの?」

と聞いて来た。


「ええ、うちの商会の倉庫は全部それですよ。作ったのも俺だし。」

と言うと、


「乗ったーーー!」

とギルマスが叫ぶ。


じゃあ、広い土地が必要だけど、どうする?って事で、訓練場の横の空き地に案内された。


「ここなら、空きスペースを自由に使って良いよ?」と。


「了解! じゃあ、チャチャっと作ってしまいますね!」

と海渡は、土台を作り格納庫を1つ設置し、魔動CPUのプログラムを独立型の次元倉庫に変更した。

セキュリティキー5つをギルマスに渡し、


「完了しましたww」

とご報告。


「え??」

と固まったまま動かないギルドマスター。


「・・・・」


「ギルドマスター、終わってますよ? 訓練場の物を移動しますか?」

と聞くと、コクコクと頷いた。早速3人で手分けして倉庫に入れた。


査定のおじさんや、解体のおじさんを呼んで、全員に使い方を説明した。


「これは素晴らしい!!!! 今夜は帰れるぞーー、マイハニー!!!」

と査定のおじさんが涙を流しながら叫んでいる。


「これでシーズンの立て込んだ際も、ゆっくり飲めるぜwww」

と解体のおじさん。


「いやいや、立て込んだ時は、飲まずに仕事しろよ!」

と突っ込む海渡w


「ガハハ、堅ぇこと言うなよwww」

と笑っていた。


取りあえず、本日は、依頼達成の分と、時空間倉庫の代金だけ頂いて帰る事となった。


「あ!あぶねぇーー!! ハチミツ忘れてたよ。」

と海渡が叫ぶと、あ!って顔を受付嬢のおねーさんがしている。


「10リッターあったら嬉しい?」

と聞くと、ウンウンと頷くおねーさん。


なので、10リッター入りのデカい壺を出して上げた。


「え?マジで?」

とおねーさん。


3人がコクコクと頷くと、ポケットからスプーンを取り出して、

「あ、味見を、あ、あ、味見をしないと!!」

と食う気満々www


「それ納品分だからw 味見ならこっちにしてw」

と小さい小瓶を出してやると、


「え?良いの?」

と目をウルウルさせている。

頷くと、周りからスプーンを持った受付嬢やら、おじさんが一斉に集って来たwww


「ちょっ! 怖いからw まだあるし。」

と追加で、小瓶を2つ出して上げた。


全員がスプーンを舐め舐めして恍惚の表情をしている。

そこに丁度入ってきた冒険者が、ギョッとした表情で固まっていたwww



「ねえ、カイト君、君年上のおねーさんは嫌いかな?」

と数人の受付嬢のおねーさん達が寄って来たけど、

「ごめんなさい、僕まだ6歳だから、良く判らないやw」

とバックレたったw


結局、時空間倉庫白金貨20枚、キラー・アンツ討伐依頼金貨10枚、フォレスト・ウルフ金貨30枚、フォレスト・ビーのハチミツ黒金貨1枚+5リットル×白金貨30枚・・・

合計で、黒金貨2枚、白金貨50枚、金貨40枚の売り上げwww


その合計金額を盗み聞きした冒険者達が、余りの高額さにガクブルしていた。

「なぁ・・・冒険者って、こうまで稼げる物なのか!」と。


「ふふふ、今日も何だかんだで、何か凄い金額になっちゃったね。1人頭、白金貨83枚、金貨46枚、銀貨66枚、大銅貨66枚、銅貨67枚だねw」

と海渡が言ってもあまり喜んでない2人。

「えー?そんなにあってもなぁ・・・取りあえず、私は、白金貨5枚で良いです。」

とフェリンシアが言うと、ステファニーさんも同意した。

まあ、結局の所、3人共にこの国ではほぼ買いたい物が無いのが原因なんだがな。



ギルドの方には、5日後までに、素材売却の精算お願いし、王宮で昼食を取る事にして、ゲートで戻って来たのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る