第350話


食後のお茶を頂き、お礼を言って領主館を後にした。

別れ際に、


「カイト様、また近い内に逢いに来て下さいよ! 絶対ですからね!!」

とアリスちゃんに約束させられたのだが、もう少しで騒動起きるから、忙しいだよね。


「流石兄貴っす! モテるっすねw」

とラルク少年に冷やかされたが、生憎5歳の幼女相手に心をときめかす事はないのだよw


どちらかと言うと、孫を愛でる祖父的な心境なのだがな。

(まあ、結婚も子供も持った経験は無いのだがw)



そう考えると、精神年齢28歳、体6歳で、体が20歳になる頃には、精神年齢は42歳!? とか考えちゃうと、適切な年齢の女性18~22歳ぐらいを相手にしたとしても・・・ヤバいな。

全部ロリコン扱いになるんじゃないか?


等と下らない事を考えつつ、空港へと急いだ。

そろそろ城門が閉まる時間、ここで一泊となると、予定が狂うからな。




そして、ギリで城門を抜けて、空港から真っ暗な空へと飛び上がり、ゲートで秘密基地上空までショートカットした。


そのまま空港へ直行して、着陸したら、南門の衛兵のおじさんが、手を振って待っていてくれた。


「おー、ギリギリだったねw 閉めようとしたら、飛行機の音したから、待ってたんだよw」

と笑っていた。


「ありがとうございます。お陰様で助かりましたww 危うく閉め出される所でしたね。」

と言うと、


「あれ? でも、そう言えばカイト君って領主様からメダル貰ってるよね?

あれを使えば、夜中の通用門からでも特別に入れるからね?」

と今まで知らなかった情報が。


「ええ!? あれにそんな効能あったんですか!! 初めて知りましたよ。」

と驚く海渡であった。


「あ、それにトリスター以外でも、カイト君勲章貰ったよね? あれを使えば貴族と同じ扱いになるから、他の領でも大丈夫だよ?」

と言っていた。


マジか・・・誰も教えてくれなかったよ? ああ、そうか俺って貴族や王族の権利や義務とかって全く知らないもんなぁ・・・と納得するのだった。



宿舎に戻ると、丁度全員の夕食が終わった頃だった。


「あ、カイト様、お疲れ様です! 今日は遅かったですね。」

と言われ、


「ああ、色々飛び回ってたからねぇ。」

と答えると、


「夕食まだなら、ご用意しましょうか?」

と言ってくれたが、


「ああ、食べて来たから大丈夫だよ? ちなみに、今日は何だったの?」

と興味本位で聞いて見て、ちょっとショックを受けてしまった。


「ああ、今日は焼き魚とか炊き込みご飯って言うんでしたっけ? あとは、豆腐?・・・あ、冷や奴だ。それと肉じゃがって言う美味しい煮物でしたね。」

と満足気なスタッフが答える。


後ろを振り返ると、涎を垂らしているのが数名・・・ あ、俺もだw



「そ、そうか・・・ちょっとだけ頂こうかな?」

と後ろを振り返ると、全員がウンウンと頷いていた。



そして、2度目の夕食・・・ 美味かった! アニータさん達、また腕上げてるよね。

焼きたてで、表面パリッとしてるけど、中は柔らかいサンマの塩焼き。

大根おろしがまた美味い。


「うーー、堪らん!!♪」

とついついバカ食いしてしまう海渡。


弟子ズも、

「魚うめーーー!!」

と唸って、

「肉じゃがうめーーー!!」

と叫び、

最後には、

「もう食えなねぇーーwww」

と満腹を堪能していた。


スタッフ達は、「あれ?夕食食べて来たんですよね?」と驚いていた。


「いやぁ~、メニュー聞いちゃったら、止まらなかったw」

と言うと、笑っていた。



余りにも、満腹過ぎて、流石に直ぐ風呂に入る気になれず、30分程、お茶を啜りながら多少消化するのを待っていると、風呂上がりのオスカーさんがやって来た。


「お戻りと聞いたので。」

と。


なので、経過を報告し、新しく試験的な意味も含め、エルフの里を作ったと言うと、


「え?今日一日で?」

と驚いていた。


海渡は満腹で腹を擦っている9名を見て、

「ああ、優秀な援軍居たからねww」

と笑っていた。

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