第299話


昼食後、地下3階の調理工房へと降りる。

既存スタッフを含め、総勢100名越えの調理室。それでも余裕なサイズだが、流石にこの人数の作品を試食するのはきついので、骨粉入りハチミツ水でドーピングする事にしたw


段々雑になってきていると言う自覚はあるw


簡単にオムレツや、ホットケーキを伝授してみたが、流石は骨粉入りハチミツ水。

サクッとスキルが生えてLv2まで上がり、更に既存者のレベルも2個上がったらしい。


続いて、希望者には、魔法講習会を開き、身体強化まで習得させた。



「よし、これで講習会は終了だな。 次は兵器テストだな。フェリンシア行くよ!」

と声を掛け、2人と1匹で出かける。


ステファニーさんも付いて来たかった様だが、宿題で稲作用の魔動農機具を試作する様にお願いしているので、お留守番である。

ちゃんと、ソコソコ働いて貰わないとねw



南門から出て、飛行場の格納庫から、ゲートで一気に別荘へと飛んだ。


別荘から1km程離れた所に飛んで来て、目標物にする為のアレスター商会の建物や屋敷を幾つか設置した。


「ふふふ、邪魔だったけど、意外な所で役にたったなwww」

と笑う海渡とフェリンシア。


ヒラメ君0号機を取り出し、改造後の初フライトを行う。

特に問題も無く、以前同様に軽快な動き。


「海渡、この機体凄いですね!! 何かこっちの機体欲しいです!!!」

とフェリンシア。


「ごめん、まだこれは世に出せないんだよね。」

と断りを入れる海渡。


フェリンシアはシュンとするが、時が来れば、真っ先にあげるよ!と海渡が言うと、立ち直った。



まずは、マニュアル操縦での実射テストから行う。

スイッチをいれて、ガトリング式レールガンをスタンバイモードに切り替える。


照準を真下にあるデニッチの屋敷に合わせ、トリガーを絞る。


「ズゴゴゴゴーーー」

と言うガトリング特有の連続音がして、瞬間的に最初の1発目で建物が中心から炸裂する。

トリガーを絞ったたった、0.5秒で約50発の弾丸が降り注ぎ、着弾点を中心に深いクレーターが出来上がった。


「すっごーーーーい!!!」

と威力に興奮するフェリンシア。


それとは正反対に、冷や汗を流す海渡。

「ヤバい・・・ちょっとやり過ぎたかな?」



「えー?でも相手はお城なんでしょ? もっと頑丈だろうし、これくらい平気ですよ? 兵器でだけにw」

と何処で仕入れたのかオヤジギャグを挟んで来た。


「そ、そうかなぁ?」

と何となく納得する海渡。


次は若干距離を置いて、別の屋敷に照準を合わせ、ミサイル攻撃。

トリガーを絞った瞬間に、ミサイルが着弾し、目の前に瞬間的にシールドが発生した直後に青い火柱が上がり、


「ズッゴーーーーーーーーン」

と腹に響く爆発音。



200mを超える火柱は超高温で、唯々ヤバかった。


「うわぁーー!綺麗♪」

とまたしてもキャッキャと喜ぶフェリンシア。


一瞬で火柱は消えたが、その煙には静電気放電まで起きてる。


屋敷のあった場所には大きな穴が出来ていて、真っ赤な溶岩状になっていた。


「あーー、威力足りない所か、これもヤバい奴じゃん。」

と呟く海渡。


「大丈夫ですよ? これくらい。抑止力ですよ、抑止力。」

とウンウンと頷くフェリンシア。


いや、かなりオーバーキルっぽいんだが?


今度はシールド爆発時のOFFで試す事にした。

ヤバいので、機体を目標物から離し、地上からの遠隔操作とする事にしてみる。

機体は念のため500m離してある。


一応念のため、自分らの周りに光りシールドを展開、タブレットからの遠隔操作でミサイル発射!

ハッチが開き、ミサイルが発射された一瞬後、スキルで身体加速をしていないと見えない様な速度でミサイルが飛び、0.5秒も掛からずに着弾。


目の前に巨大な青白い爆発が起きて、一瞬後に、凄い爆風が吹き荒れる。


「やっべーーー!!!!」

と片腕で目を覆いながら見ていると、青白い爆発は一瞬で消えたが、そこには見るも無惨な光景が残っていた。


≪ピロリン♪ 新しい称号:女神がGJを贈る者 を取得しました。≫


「・・・」


「うわぁ~、真っ赤なお池が出来てますぅwww」


称号でOKサインを出すとか、なんて斬新な・・・。


と言うか、これ、本当に使っていいのかよ?



まあ、せめてシールドはONで使うとしよう。




ちなみに、最後の1発で、完全に地形が変わっていた。

半径700mは草木は吹き飛ばされ、荒れ放題のなので、水魔法で雨を降らせ、温度を下げる。


30℃以下になったので、地形を自然風にしようと、土魔法を半径700mに掛けて、シェイクし、ふんわりと柔らかくした。

何か種はないかとアイテムボックスを探したら、前に採取したサトウキビ(軟竹)の種があったので、それをを広域にまいて、種が足りないところへは、屋上用に持って居た花の種をまいて置いた。

最後の仕上げに全域にラピスの泉の水を雨にして撒いた。



「ふぅ~、これで大丈夫だろう。」

と一息つく。



別荘に戻って、リビングでコーヒーを飲んで一服した後、ゲートでトリスターへと戻ったのだった。


宿舎に戻った海渡は、ヒラメ君全機を改造するラインを動かしてた。


そして、ヨーコさんには、これからコーデリアへ向かい、明日は朝から「絶界の森」に行くので明日も終日居ない事を告げ、従業員に渡すボーナスの支給を忘れ無いようにと念をおした。

オスカーさんへは、12月28日~1月3日まで全店お休みとする通知をちゃんと店舗に張り出す事を全店に通知する様にお願いし、

アニータさんには、休暇中の分の食事ストックを出来るだけ、全調理スタッフ+スキル保持者にお願いしておいた。


まあ、最悪は自分が作るしか無いと思っている。


そして、出かけようとしたタイミングでステファニーさんを思い出し、

「コーデリア王国へ行くけど、一緒に行きますか?」

とお伺いを立てたら、


「当然やろ!」

と言われ、一緒に連れて行く行く事にした。


再度、南門から外に出て、海渡の2号機で飛び上がり、見えなくなっただろう地点で、ゲートでショートカットした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る