第263話
なんだかんだで時間を取られ、午後5時半頃にやっと屋敷に戻ってきた。
戻った事をヨーコさんに報告し、ついでにレイアを紹介しておいた。
「初めまして。親分の舎弟になったレイアっす。」
との挨拶に、ヨーコさんビックリw
半端な時間だし、討伐帰りと言う事で、先に風呂に入る事にした。
レイアはプカプカ浮きながら海渡に着いて来て洗い場にやってきた。
「さて、今からレイアを綺麗に洗ってやるよ!」
とまずはお湯をかけてやると・・・ヤベェ~真っ黒な汁が流れる・・・orz
「ねえ、レイアって水浴びとかしてなかったの?」
と聞くと、
「水浴び? 何でしょうかね? 寝てたから判らないっすけど、雨は時々降ってたんじゃないですかね?」
と全然歯車の噛み合わない受け答え。
そうか・・・こいつ全然体洗ってないんだな?
と言う事で、取りあえず先に、『クリーン』を発動すると・・・
「あらまぁビックリw 黒い色かと思ったら、元の色ってグリーン?? と言うか、どれだけ汚れてたんだよwwww」
と大笑いする海渡。
「それ程でもぉ~」
と褒められてる様な反応のレイア。
せっかくだから、亀の子タワシに石鹸で泡立てて、体中をゴシゴシしてやった。
「あぁ~親分ぅーーん、そこ気持ち良いっすぅ❤」
と変な声を上げるレイア。
「こらっ!変な声出すなよ!!」
と言いつつ、全身の泡を洗い流し、海渡は自分の頭や体を洗う。
サッパリとした所で、湯船に入る。
レイアもドポンと湯船の縁から飛び込む・・・。
ブクブクブク・・・・
あれ? 何やってるの? もしかして泳げないとか?
と浮いて来ないレイアに焦り、慌てて探して、引っ張り上げると、
レイアがピカッと激しく光った。
光が終息すると・・・手足は真っ白に甲羅部分はシルバーになっていた。
「えーーー???」
と驚きの声を上げる海渡。
「おい、レイア大丈夫か?」
と声を掛けると、
「いやぁ~、余りの気持ち良さに浮き上がるの忘れてしまったっす。何か一杯水飲んだんすけど、そしたら、シルバー・ベヒモスってのに進化しちゃったみたいっす。なんかスキルも増えたっすね。」
と暢気な返事。
「何だてっきり溺れたのかとwww しかし、ラピスの湯で進化したのかw 凄いなぁ。」
と褒めてやると、喜んでいた。
湯の上に浮かべてやると、スイスイと泳いでいた。
鑑定してみると、
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名前:レイア
種別:シルバー・ベヒモス
Lv:119
状態:正常
HP:572030/572030
MP:751267/851267
筋力:877261
俊敏:956
武術:
魔法:火Lv1 水Lv8 風Lv1 土Lv10 光Lv1 闇Lv5 聖Lv1 時空間Lv10
スキル:身体強化Lv9 嗅覚強化Lv8 聴覚強化Lv7 気配察知Lv9 魔力感知Lv9
毒Lv3 変体Lv3 耐物理攻撃 耐魔法攻撃 耐環境異常 隠密Lv5
伝心Lv2 造形Lv3 魔力吸引Lv7 擬態変化Lv6 重力制御Lv8
暴食Lv4
説明:超神話級の巨大な亀型の魔物。ベヒモスの上位種。外郭がとても堅く、
耐物理攻撃と耐魔法攻撃で防御は最強。
劣悪な環境にも耐える。
成長すると小山サイズ(約全長200m高さ60m)になる。
体重が重い為、移動速度は遅いが、力が強い。
甲羅に生えている堅い棘を弾道ミサイルの様に飛ばし、火、水、風、土、
光、闇(毒)のブレスによる攻撃もある。
知能は高く、比較的温和な性格。個体によっては世界共通語をしゃべる事
が出来る。
甲羅や鱗や皮は素材として使えるが、加工や扱いが難しい。
肉は非常に美味しい。魔石は巨大である。
主人:カイト
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げげー!! 何じゃこのスペック。
魔力も凄いけど、使える魔法も凄いな・・・時空間Lv10だってよww
各耐性も凄いし、これと戦っても、やっつけるイメージが湧かないなぁ。
まあ負けはしないだろうけど、勝つのも難しいだろう。
しかも、さっきの進化?でLvも上がってるみたいだし、魔法も増えたって事かな?
ステータスを見ると、その凄さが判る。まあ俊敏が1000未満ってのが頷けるがw
改めて、戦わなくて良かったと思えたのだった。
風呂から上がり、フェリンシアと合流したのだが、
「あれれ? 色が!?」
と色が変わったレイアを見て驚いていた。
「まあ、色もだけど、種別も変わったんだよねw」
と経緯を教えると、更に驚いていた。
しかし、驚く事はまだあった。
海渡本人は気付いてなかったのだが、フェリンシアが、
「あれ?海渡って少し背が伸びたんじゃないですか?」
と言ってきた。
「え?そう??」
「だって、朝より並んだ時の頭の位置が、ほら、私の胸の位置まで来てますよ?」
とフェリンシア。
『智恵子さん、俺、背が伸びたの?』
と聞いてみると、
『ええ、Lvアップで一気に成長が促進したみたいですね。身長だと今日だけで7cm伸びてます。』
と嬉しい報告。
「フェリンシア、智恵子さん情報聞いた? 7cm伸びたって!!!」
と喜ぶ海渡。
普通なら、ズボンの裾やシャツの袖が短くなったりして気付くのだが、海渡の服はどれも海渡の付与で自動サイズ調節が施されているので、全く気付いてなかったのである。
ちなみに、シャツはシルク・スパイダーの糸で織った生地を使ったシームレスシャツなので付与が可能となっている。
2人と1匹は大食堂へと降りて行く。
大食堂に入ると、海渡の横でプヨプヨと浮いているレイアに、視線が集中する。
「カイトさん、その隣に浮いてる亀はなんっすか?」
と1人の少年が尋ねる。
「ああ、今日従魔になったレイアだよ。危険は無いから安心してね。」
と言うと、
「あ、初めまして。今日親分の舎弟になったレイアっす。みなさん、宜しくっす!」
と礼儀正しく?ご挨拶。
「「「「「えーーーーーー!!! 喋ったーーー!!!」」」」」
と全員がハモる。
ワラワラとみんなが寄って来て、取り囲まれて質問攻めに遭うレイア。
取りあえず、そのまま放置して海渡とフェリンシアは、そのまま食事を取って、着席する。
丁度そこへステファニーさんも合流し、3人で食べ始める。
試した事が、上手く行ったらしいステファニーさんは、興奮気味に本日の成果を報告してきている。
話によると、かなり突っ込んだ所まで、付与魔方陣を作成出来たらしい。
「流石ですね!!この分なら、もう数日で魔動CPUの制御に入れそうですね。」
と海渡が褒めると、耳(尖った)まで赤くしてモジモジとしている。
とそこへレイアがヨチヨチと飛んで来た。
「親分!酷いっすよ!!! 置いて行くなんて!」と。
ステファニーさんがレイアに気付き、ガッと目を見開き、
「何? 亀? 喋った?」
と呟いている。
「ああ、ステファニーさん、これ今日従魔になったベヒモス改めシルバー・ベヒモスのレイアです。
レイア、こちらはうちの魔道具の開発部門のチーフのステファニーさん。」
と紹介する。
「あ、初めまして。兄貴の舎弟になったレイアっす。宜しくっす!」
と自己紹介するレイア。
「えーーー! ベヒモス? 喋った!?」
と声を上げるステファニーさん。
そこで、海渡は今日の出来事をステファニーさんに簡素に説明する。
すると、
「いやぁ~、カイト君にはホンマビックリやわぁ~。益々惚れてまうわぁ~❤」
とニマニマしていた。
「しかし、あの温泉で進化するって、ビックリやなぁ。そんな効果あるんやったら、一般の魔物には厳禁やなぁ。」
とステファニーさん。
「うむ。そう言えば確かにそうだね。まあでも、俺の従魔以外には効果無い気がするよ?」
と海渡が言うと、
「そうなん? 一度実験した方が良いかも知れんね。」
と言っていた。
よし、それは今度折を見て実験してみよう・・・と心の中にメモする海渡だった。
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