第248話


「ちょっと約束には早いけど、来てみました。」

と海渡はおでんの屋台のおじさんの所へとやって来た。


「おう!出来てるぜ!!」

とおじさんから、品物を出して貰ってドンドンと受け取る。


横でポカンと見ているステファニーさん。


「じゃあ、次回までの分、払っておくので、適当に宜しくお願いしますね!」

と金貨と空の寸胴を取り出して渡した。


「おう!任せとけ!」


「あともしもの際は、この通信機を1台差し上げますので、お連絡下さい。あ、名前を言うの、忘れてましたね。カイトです。」

と連絡先の番号と通信機の使い方を教え、おでん屋の屋台を後にした。



次は蕎麦屋の屋台に寄り、同じく品物をドンドン受け取り、新しい寸胴と金貨と通信機を渡す。


最後はラーメン屋のおっちゃんの所で~(ry



「ふぅ~♪ これでコーデリア王国の買い物は一応終了かなぁ? ウナギは残念だったけど、時期的な物だからしょうがないとして・・・他は何か忘れ物無いかな?」

と海渡が言うと、ステファニーさんが、手を上げる。


海渡が指を指して、

「はい、ステファニーさん」

と言うと、


「はい!絶品の抹茶入り玄米茶を売ってる店があるねん。そこ行ったか?」

と聞いてきた。


「え?絶品なの? 連れて行って!!!」


と言う事で、茶葉専門店へとやって来た。


「抹茶入り玄米茶って美味しいよねww」

と言いながら、売ってくれる分だけ、全部買ったwww


見ていたステファニーさんが、

「カイト君と一緒やったら、例え砂漠でも、一生食うには困らんなぁww」

と笑ってた。



「抹茶入り玄米茶があると、お茶漬け食べたくなりますね・・・。お茶漬けと言えば、お漬物か・・・」

と海渡が呟くと、


「ん?お漬物!? じゃあ、ええとこ知っとるで!! こっちや!!」

と颯爽と街を進み、海渡とフェリンシアがまだ行った事の無い裏路地へと先導する。


「確かここら辺に・・・ あ! あったで!!!」

と笑顔のステファニーさんが指を指している。


見ると、古びた小さい店があった。

店から、懐かしい糠味噌の匂いが漂っている。


「おおお!!ぬか漬けか!!!!」

と海渡が叫ぶと。


「正解や! 良く知っとるなぁ! この匂いがダメって人も多いんやで!? 海渡君は大丈夫なん?」


「ええ、大好物でっせww」

と何故か関西弁の海渡。


早速店のおばちゃんドワーフとステファニーさんが交渉して、買えるだけを全部を購入して来た。


キュウリやナス、キャベツ、ニンジン等のぬか漬けに、白菜のお新香、沢庵、あと嬉しい事に奈良漬けもあったよw


「嬉しいなぁ~♪ これで美味しいお茶漬けが楽しめるぞ!!!」

と大喜びの海渡。


店のドワーフのおばちゃんも、人間の子供がぬか漬けに大喜びしている様を見て、驚いていた。




お漬物屋さんを後にした3人。


「他に何か無いかな?」

と聞くと、2人が暫く考えて・・・


フェリンシアが、

「天丼をもう一度食べておきたい!」

と。


と言う事で、天丼屋に行き、全員で天丼を食べて、更に30食分お持ち帰りしたw


「他にこっちで食べて無い物ってあるかなぁ?」

と海渡が言うと、


「そう言えば、豚骨ラーメンの屋台行ったけど、醤油ラーメンは嫌いなん? 絶品の店あるで?」

とここに来て、重要な情報をもたらすステファニーさん。


「あ!醤油ラーメンの存在忘れてた。 たまには醤油ラーメンも良いよね。煮玉子とか入れてw」

と海渡も賛同。


フェリンシアは醤油ラーメンの存在を知らないので、ワクワク。


早速3人でステファニーさんお勧めの醤油ラーメンの店へと向かう。



現在orz状態のステファニーさんが目の前に居ます。

店が違う店に変わってました・・・。


「あぁ・・・たったの250年で・・・」

と呟くステファニーさん。


「いやぁ~250年って下手すると人族の3世代分ですからね?」

とフォローにならないフォローする海渡。


ガーーンと言う表情をするフェリンシア。


通行人のエルフが、

「どうしたの?」

と心配して聞いてきた。


ステファニーさんが

「せっかく、絶品の『来来軒』の醤油ラーメン食べさせたろうとやって来たねんけど、店無くなってもうたんや・・・」

と言うと、


「ああ、『来来軒』ね。美味しいもんねぇ~。確か、200年ぐらい前かな?移転したんだよ。この通りの3ブロックぐらい先かな。今でも絶品だよ! って、あんたステファニー・ヨハンソンさん?」

と通行人のエルフが教えてくれつつ、驚いていた。


ステファニーさんがガバッと立ち上がり、

「ホンマか! ありがとな!」

とピューっと駆け出していった。


フェリンシアも咄嗟に駆け出す。


海渡が通行人にお礼を言って、跡を追う。


「2人とも早すぎww」


『来来軒』ありました。店やってました!


さっそく、中に入って、3杯注文。

あと、嬉しい事に、餃子もあったよ!!

なので、6人前を注文した。


早々にテーブルへと運ばれて来たラーメンを見て、

「おお!これや!これが食べたかったんや!!!」

と涙目のステファニーさん。


まずは一口スープを飲む。

なるほど! ステファニーさんが言うだけあって、滅茶滅茶美味い。


「ああ、これは美味い!」

と言うと、


フェリンシアも

「美味しいです!!!」

と声を上げる。


「そやろ!またこの煮玉子が堪らんのよw」

とさっきとはテンションが違うステファニーさん。


店の奥からエルフの女の人が、注文した餃子を持って来きた。


「あれ?あんんた、ステファニーちゃんかい? ステファニーちゃんだよね? 久しぶりだねぇ~」

と言ってきた。


「ああ!おばちゃん!!(見た目は27歳くらいのエルフ) 久々やなぁ。ちょっと暫く奥地におってな、先日こっちに出てきたんやw」

とステファニーちゃんwww


「そうだったのね。随分来ないから心配してたのよ? 毎日の様に食べに来てくれてたのに、プツッと来ないからw」

とエルフのおばちゃん。


「でもな、この子、カイト君の商会に入れてもろたから、また暫くこれへんのよ。なあ、おばちゃん!お持ち帰りできへんかな? あ、餃子も付けてな!」

とステファニーちゃん自らが交渉wwww


「え?でも保存は出来ないから、食べられないよ? 麺伸びちゃうし。」、

とエルフのおばちゃん。


「それは大丈夫やで? このカイト君な、アイテムボックス持ってるねん。そやから、作りたてのまま時間停止するし、麺も作りたてのままや。」

と説明する。



すると、エルフのおばちゃんが、

「ちょっと待っててね、今うちの人と交渉して来てあげるから!」

と頼もしいお言葉。


「ステファニーさん、ナイス!!」

と親指を立てる海渡とフェリンシア。


結果、30杯分だけはお持ち帰り出来る事になった。


それで、次回までに、スープや麺やチャーシューや煮玉子を、マジックバッグに作り溜めして貰える事になった。


金貨と通信機を渡し、使い方と番号を教えて、店を後にしたのだった。

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