第239話


異世界2ヵ月と24日目。


目が覚めると、朝の7時過ぎだった。

流石に夜中まで掛かって作業したので、いつもより遅く目覚めてしまった・・・。

フェリンシアは既に起きたようで、部屋に居なかった。


キッチンまで降りて行くと、なんとフェリンシアがエプロン付けて、朝食を作ってくれていた。


「あ、海渡、おはようございます。今日は珍しく私の方が早かったですねw」

とフェリンシアの笑顔。やっぱり美少女だよなぁ。


「おはよう、フェリンシア。何か寝坊しちゃったよw」


「朝ご飯作ってみたので、一緒に食べませんか?」

とフェリンシア。


「ありがとう!是非頂くよ!」

と言う事で、2人で席について、いただきます!


今朝は、和定食にしたらしい。

ご飯と焼き魚と出汁巻き卵とお味噌汁。


フェリンシアは、海渡が食べるまで、ジッと見つめている。


まずは、お味噌汁を一口。


「おお!良い出汁が出てて、滅茶滅茶美味しい!!! 俺、この玉葱とジャガイモの味噌汁大好きなんだよねw」

と喜ぶ海渡。


「ふふふ、そうですかw 良かった、お口に合ったようで。」

と満面の笑みの美少女。


可愛いよなぁ・・・フェリンシア。これで人間だったら惚れてまうよなぁ~


ふふふ、よく考えると、人生初じゃないか? 女の子の手料理食べるのなんてww


と考えて照れてしまう海渡。


結局、あまりに嬉しいのと美味しいのとで、ご飯とお味噌汁をお替わりしてしまいました。


「おご馳走様でした。とても美味しかったよ! ありがとうフェリンシア。」

と嬉しさの余り、またお礼を言う海渡だった。


フェリンシアは照れながら、

「そんなに喜んで貰えると、作った甲斐があります。ふふふ」

と喜んでいた。


「さてと、食べ終わった事だし、サクッと、サクラまでゲートで行っちゃおうか?」


「ええ、準備はOKです!」



と言う事で、一度北門から出てゲートで移動する事になり、屋敷のドアを開けると・・・


何故か、そこに人が集まっていた。


いや、敵意は無いようなんだが、何で人が集まっているのか、理由が分からん。


すぐにドアを閉め、

「フェリンシア!何か滅茶滅茶人が居るんだけど、なんだろう?」

とビビっていた。(昨日のギルド本部のロビー事件が一瞬頭を過ぎる)


「何でしょうかね? 別に私達がここに住んでるから来たにしては、タイミング良すぎですよね?」


「あ!もしかして、建物が新品になったからか?」


「ああ、それかも知れないですね。どうしますか?」


「うーん・・・面倒だから、ここからゲートでサクラまで行っちゃうかww」




と言う事で、サクラの東側に出て来ました。


「ふぅ~。朝からヒヤヒヤさせるぜwww」

と苦笑いの海渡。


「さあ、気を取り直して、買いまくりましょう!!」

といつものフェリンシアw 笑顔が眩しいっす。


歩いて、サクラに入り、朝からテンション高く、買いまくる海渡とフェリンシア。


行く先々で、

「お!何時ぞやの坊主とお嬢ちゃんじゃねーか! おう、一杯好きなだけ買っておくれw」

と好意的に迎えられる。


「へへへ、ここの食べ物美味しいから、来ちゃいましたw」

と嬉しそうに言うと、


「じゃあ、せっかくだし、これもおまけで付けてやるよ!」

とかなり沢山おまけを貰う結果に。


屋台の焼き魚串や出汁の効いてるうどんの大量買いもサクサク進み、朝市会場に辿り着く。


「さあ、ここからが本場だ!」

買い占めにならない程度に抑えつつ、色んな店で大量買い。


出汁用の昆布や鰹節は特に念入りに購入。


マグロも7m級を4匹購入。


鰹は叩きを10匹分購入。


直径40cmの貝柱の取れるホタテを50個購入。


大人の太ももサイズの伊勢エビを50匹購入。


塩鮭も50匹購入。


刺身盛り合わせをバンバンと切って盛り付けて貰って皿ごと収納。


「おう、坊主達、前にも増して気持ち良い買いっぷりだなw ほれ、これも持って行け!」

とここでも色々おまけ貰いました。


ウニは残念ながら、見つからず、結局漁港まで行って、ウニを50匹程分けて貰いました。


「おう、お前さんは、何時ぞやのガチコンブの坊主・・・いや、救世主様じゃねーか! 全部タダで良いから持ってけ!」

と漁師のオヤジが、大声で言うと、


「お!あの時の坊主か!」

とドヤドヤと集まってきて、結局ここで、朝から宴会に突入。


「あれから、ガチコンブの被害が丸っきり無くなってな。本当に大漁なんだぜ!ありがとよ!」

と厳ついエルフの漁師にお礼三昧で、照れてしまいました。


10時過ぎになり、あまり時間も無いので・・・とお暇し、海鮮丼の店に行き、交渉して、持って来た丼200個に海鮮丼を作ってもらいました。


途中でシャリが無くなる・・・と言うハプニングがあったんですが、無理を言ったお詫びも兼ねて、自動炊飯器の1升炊きをプレゼントし、時短モードでお米を次々に炊き、強引に補給すると、非常に驚かれ、逆にお礼を言われると言う事態に。


帰り際には、

「おう!またいつでも来いよ!!」

と言って貰えました。


「さあ、買うだけ買ったよね? 何か忘れものあるかな?」


「うーん・・・もう全部制覇したと思われます!」

とフェリンシアが敬礼w


どこからそんなネタを仕入れたのwww


「よし、では今回の遠征はこれにて、撤収とする。では速やかに撤収!!」

と海渡もノって敬礼する。


路地裏でゲートを開き、北門近くの路地裏に出る。


メインストリートを歩いているのだが、何か、彼方此方で会釈される・・・。


「あ、酒屋でサンドラさん、ダスティンさん用のお土産のお酒買わないと!!」

と思い出す。


そこで、ダスティンさんに連絡して聞いてみる。

「あ、海渡です。どうも。お忙しい所を申し訳ないのですが、ダスティンとサンドラさんの好きなお酒って何処に行けば買えますか?」

と聞くと・・・あ・・・ダメだ・・・向こうで狂喜乱舞してるのが判る。


「もしもーーし! 何処!?」

と強めに言うと、


「あ、すみません、ちょっと我を忘れてしまいましたw」

とあらためて、店の場所と銘柄を教えてくれた。


「じゃあ、買えるだけ買ってきますよw」

と通信を切った。


酒屋に辿り着き、店のおっちゃんに、サンドラさんとダスティンのご指定銘柄を伝え、どれくらいなら売って貰えるかを聞くと、


「うむ・・・そうじゃなぁ~ それぞれ10樽ぐらいに押さえてくれると助かるな。」

との事だったので、それぞれ10樽を購入。


ついでに、お勧めのお酒も樽単位で購入。


これで、アルマーさんへのお土産もOKっと。

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