第120話

 異世界1ヵ月と8日目。


 サクラの町の朝は早い。


 泊まった宿は、当たりで 海の幸万歳の食事は美味しく、刺身だけでご飯が進む進む。


 そして、唸ったのは、海鮮味噌汁。

 トコブシの様な小さい貝と、拳大のエビが入って刻み葱が入った味噌汁が、もう最高!

 宿の主人に掛け合い、寸胴2杯分を追加で作って貰って持ち帰る事にした。


 美味しい物を食べる度に、女神様へ感謝を心で述べる海渡だった。



 サクラでは朝市が盛んである。

 朝市には、多くの露店が並び、多くの海鮮物を売っている。

 そんな早朝の朝一の中で、異彩を放つ爆買い5歳児と美少女のコンビは、伝説になったwww


 買うだけ買って、食べるだけ食べ、海渡はまた海上へと赴く。


 昨日の討伐で、一部のエリアは赤い点が無くなったが、それ以外は無数に赤い点が存在する。


 今日は出来るだけ漁港や養殖場に近い所から討伐していく。

 昨日の討伐で手慣れて、サクサクと討伐を進め、既に53匹を討伐。


 ≪ピロリン♪ 新しい称号:ガチコンブの天敵 を取得しました。≫


 完全に漁港と養殖場の周囲200mは安全になった。


 討伐エリアを広げ、円周上を行ったり来たりしながら、ローラー作戦で安全エリアを広げていく。

 女神様の話だと、それでも魔物はまた出て来ると言う事だったので、月日がたてば、繁殖するんだろうけどね・・・。


 かなり沖合まで来た所で、これまでにない程大きな赤い点が湖の中心寄りに幾つもあった。


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 種別:ギガ・ガチコンブ

 Lv:82

 説明:昆布の魔物。ガチコンブの上位種。

   性格は大人しいが食欲旺盛。下位種のガチコンブさえ食べてしまう。

   海藻系の魔物だけに寒さや火に弱い。

   痛覚が無いので、打撃にも無頓着。

   知能はややある。

   魚の好む匂いを撒いて近寄った魚を絡めとって溶かして食べる。

   表面に、小さな麻痺毒の針を持つ。近寄った敵に魚雷の様に表皮を

   飛ばしたりする。

   全長に合わせ徐々に深い所へと移動する。

   海面下に居るので、討伐が難しい。

   食用には適さず素材も市場では人気が無いので取引はされない。

   過去にギガ・ガチコンブが討伐されたと言う記録はない。

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 種別:ギガ・ガチコンブ

 Lv:81

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 種別:ギガ・ガチコンブ

 Lv:87

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 おお!一気にレベルも上がるんだな。

 何匹か挑戦してみるか!


 上空から近付くと、いきなり何か飛んで来た。


「あっぶなーー! これが表皮の攻撃って奴か」


 空中で飛んで来る表皮をヒラヒラと回避しつつ、光のシールドを半径10mで発動。

 わぁ・・・ここ深すぎてまだ海底まで届かないよ。


 魔力をドンドン込めてシールドの深度を上げていく・・・もっと・・・

 あともうちょっとなのだが、回避も忙しく、集中出来ない。

 5分ぐらい回避しつつ、海中のシールドを伸ばそうと苦闘していると、


 ≪ピロリン♪ 魔法:光Lv4を取得しました。≫


 おお、一気にシールド深度が深くなった! がまだ海底に届かない・・・

 マジか・・・


『ここら辺は海底まで70mぐらいありますから、かなり厳しいと思います。』


『でもシールド無しでやると、生態系に影響出るよね?』


『はい、水温の急激な低下や上昇は海産物に多大な影響でます。』


『そうか・・・なんとか頑張ってみるよ。』


 ドンドンと魔力を込める。

 さっきの光魔法のレベルアップで、少しはシールドの伸びる速さが上がっているが、それでもあと5m程足りない感じ。

「おりゃーー!」と雄たけびを上げながら、なりふり構わず魔力を注ぎ込む。


 ≪ピロリン♪ 魔法:光Lv5を取得しました。≫


 いけた!!! 光魔法のレベルアップと同時にサラリと海底までシールドが到達する。


『フリーズ』!

 半径10m長さ70mの氷の柱が海中に出来上がる。

 程なくマップの赤い点が消える。


 ≪ピロリン♪ 新しい称号:ギガ・ガチコンブの悪夢 を取得しました。≫

 ≪ピロリン♪ Lv30にレベルアップしました。≫


 アイテムボックスに収納し、海底に降りてみると、ここら辺一帯の海底はマギ鉱石だらけ。


『ねえ、このマギ鉱石だらけだけ、これってあんまり取り過ぎると、影響でない?』

と心配になって聞いてみた。


『そうですね。マギ鉱石は魔素の多い噴き出し口に自然発生するのですが、取り過ぎると、生態系に影響あります。まあまた自然と貯まるのですが、何十年か掛かりますので』


『じゃあ、もう十分あるし、もしかして美味しい海産物に影響あるといけないから、ここは捕らない方が良いかな。ありがとう』


 上空へ戻り、シールドを解除すると ドバーーーっと海水がなだれ込む。


 かなり消耗したので、空中でハチミツ水を飲む。


 いやぁ~ 深度だけにシンドカッタ・・・


「さて、これぐらいヤれば、当分大丈夫かな?」

と岸へと戻るのだった。

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