第86話
途中で見つけた茸の採取や、柿を見つけて採取したり、で森を出るまで3時間掛かったけど、現在夕方の4時半で丘の上。
日が暮れかかってるけど、ここまで来れば、目と鼻の先。
一気にフェリンシアと丘を駆け下り、門へと向かう。
相変わらず、門も通用門も閉じているが、城壁の上の監視兵が、丘の上から駆け下りて来る俺たちを発見してて、門の近くになったら、通用門を開けてくれた。
ギルドカードを見せると、
「お疲れ様です。」
と挨拶してくれたので、
「ありがとうございます。森は特に異常無しです。」
と声をかけ、中に入った。
冒険者ギルドへと、報告に寄り、アニーさんに戻った事を伝えると、ハロルドさんの部屋へと通された。
「特に異変はありませんね。
前回トレントゾーンを抜ける際に空けた道は完全に塞がってたので、前回の2倍くらい伐採しておきました。
あとは、150km付近まで色々見て廻りましたけど、特に異常と感じる事はありませんでした。
まあ、魔物の間引きはやっておいたので、当面何も起こらないと思います。」
と報告した。
「そうか、それを聞いて安心した。良かった。 じゃあ指名依頼は成功と言う事で、ギルドカードを出してくれ。」
2人のカードを手渡し、依頼達成の記録を付ける。
そして、依頼の報酬を手渡された。
「これが依頼料の白金貨2枚になる。」
「え? 依頼料金多くないですか?」
「まあ、史上初のSSSランクの冒険者への指名依頼だし、内容が他の誰もいけない『絶界の森』だからな。少ないぐらいだ。」
とハロルドさん。
「判りました。では遠慮なく。」
と受け取り、ギルドを後にした。
時間は5時半。どうしよう、店舗の進捗が気になるんだが・・・先にアルマーさんに報告もしたいし・・・。
いや、アルマーさん優先だな。
領主様の館へと戻り、久々に門番の人と挨拶。
「おかえりなさい。」と笑顔で迎えてくれた。
早速、2人でアルマーさんの書斎の方へと向かい、ノックをすると、門の兵士から知らせを受けていたらしく待っていてくれた。
「やあ、お帰り。無事の帰還で嬉しいよ。 で、どうだった?」
と聞かれ、
異変関連は全く問題が無かった事、塩の採取は十分に済んだ事、砂糖の原料も取れた事、あと魔物も大量に間引きした事を伝えた。
「そうか、じゃあ本腰入れて、商会の準備が出来る訳だな?」
と黒い笑みをニヤリ。
「ええ、店舗側は、もう外を作ったんで、あとは内装とか展示棚とかショーケースとかの準備ですね。最高の素材の開発も進んでますし、魔道具もバンバン揃えますよ。」
とニヤリと笑う。
「おお、そうだ、カイト君の建てた店舗、今町中で噂になってるぞ!『1日で建った』だの『店舗が生えた』だのwww 完成したら、みんなもっと驚くんだがなww」
「そうだ、前に話しをしたエスカレーターですが、動く歩道みたいにして、実現しましたよ。バッチリです。」
と答えると、
「ホントか!!! 今すぐ見たい!!!」
と仰るので、
「まだこっちにギルドから真っ直ぐ来たので、現状を把握してないんですよ。なので、明日の午後では如何ですか?」
とヤンワリお断りを入れる。
すると、凄く悲しそうに了解してくれた。
「ああ、それはそうそう、避難民の事ですが、あれから増えたんでしょうか?
一応、従業員の募集とかは避難民優先で指示を出してます。あと、仮設住宅とか足りてますかね? 一応、こちら側から無償でテントを増産して提供する予定にしてます。」
と伝えると、
「おお、それはありがたい。実際仮設用のテントが全く足りてなくてな。避難先の環境整備が追い付いて無い状態なんだ。食糧事情も悪くなる一方で、困っていたんだよ。」
とアルマーさん。
「ふむ。何とか早目にテントを少しづつでも増やして行きますので。
あと、森で魔物も多く倒してきたので、炊き出しとかも多少出来ると思います。人間、食が満たされれば、苦境にあっても希望が持てますからね。」
自分自身がやらかした結果なのだから、少しは貢献しないとね・・・。
と内心すまない気持ちで一杯の海渡だった。
「そうだな、色々配慮してくれて、助かるよ。」
と頭を下げるアルマーさん。
「いえ、気にしないでください。 これからアルマーさんには頑張って、ドラーツ公爵家を駆逐して頂かないといけないんですからねwww」
と黒い笑みを漏らす。
「がはは!そうだったなww じゃあ、明日の午後に店を見に行くから、宜しく頼むな。」
書斎を後にして、先にお風呂で数日の疲れを癒す。(と言っても気分の問題で、言う程の疲れはないんだがね)
風呂上りにリーファさん、サイファさん、ララーさんに捕まり、
「寂しかったですよ?」
と詰め寄られ、食後に話しを聞かせろや!! と懇願された。
久々の領主様の館の料理は美味しかった。
食事中も色々話を聞かれ、食事後も部屋に連れていかれ、やっと2時間後に開放されたのだった。
あ、でもフェリンシアは楽しそうだった。
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