第15話


 昼飯をレーションで簡単に済ませ、風呂の構想を練っていく。

 一番重要なのは、風呂桶であるが、これを何で作るか?

 土魔法が使えるので、土を焼き固めた陶器的な物で行けるんじゃないかと、方針を決める。


 魔力を両手に集め、大きな風呂桶をイメージする。

 目の前に土で出来た風呂桶の形が出来上がって来る。

 今度はそれを焼き固めるて、一体化するようにイメージする。

 時間にして、2分程でイメージした風呂桶が完成する。


「よし、今度は洗面器だな」

 何で作るかな?陶器だと重くて割れそうだし、さっき収納した木で作るか・・・。


 一度、十分に風呂桶から離れ、切り倒した1本の木を取り出す。

 アクアカッターで15cm幅で輪切りにする。

 残った木を収納して、水魔法で直径30cmぐらいの円を切り出し、円の真ん中を抉って行く。

 不格好だが、洗面器と呼べる物が完成した。


 水魔法で水を火魔法でそれを温めるイメージで、43℃ぐらいのお湯をイメージして出していく。


 イソイソと服を脱ぎ、石鹸とタオルを出して、湯を浴びて体を洗っていく。


 結構汚れていたので、1回では泡が殆ど出なくて、再度洗うことにする。

 2回目で泡立つようになる。


 髪の毛もシャンプーが無いから石鹸で洗う2回洗うのだが、この際、髪の毛がバサバサになるのは我慢。


 やっと、スッキリして、湯船に肩まで浸かる。

「うぃ~~♪」とジジイのようなうめき声を上げる5歳児。


 夕暮れで赤く染まった空が木々の間から見える。

 30分程、出たり入ったりして、久々の風呂を堪能し、綺麗な服に着替えて夕飯の準備に入る。


 バックパックから、折りたたみストーブと網を出して、皿には塩コショウを入れ、薄く切った肉を焼いて行く。

 油の焦げる良い匂いが、食欲を刺激する。

 焼けた肉に塩コショウを付けて、食べてみると、豚肉に近い味だが、濃厚で柔らかく、数倍美味い。肉ばっかりをひたすら焼き、黙々と食べていく。

 500gぐらい食べた所で満腹なり、残りはまたアイテムバックへ。


 火のついた折りたたみストーブと網を見ていて、ふとそのままアイテムボックスに入れたらどうなるんだろう?

 やっぱり、火も時間止まるんだよな?と言う事で、実験する事にし、ストーブをそのまま収納して放置する事にした。


 食後のお茶を飲みながら、濃いい一日だった今日と、明日からの方針を考える。


 Lv差が大きかったので、オーク1匹で2レベル上がった訳だが、この先は段々上がりにくくなる事が予想される訳だ。

 ステータス的には今日のオークぐらいなら、剣でも倒せそうな気はするが、明日は2匹を目標にして、オークの動向を監視するかな。

 あのオークの群れは103匹、今日ので残り102匹を狩り終える頃には、十分なLvに達するんじゃないかと。


 と言うか、オーク・キング倒せたら、当たりが悪くなければ、森を出られるんじゃないかな?

 とにかく、少しずつオークを分断して殲滅していく感じだな。


 歯を磨き、日課になってる「魔力を使い果たし」をして、そのまま眠りにつくのであった。

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