第11話


 異世界4日目。


 今日のジョギングでは、身体強化と気配感知Lv5も併用していく事とした。

 そろそろ、普通に肉が食いたい。成長期の体と筋肉を作る為にも、手持ちの非常食に頼らない、食料供給を目指さないと、イザと言う時にジリ貧に陥ってしまう。


 身体強化+気配感知+マッピング+鑑定を常時発動して、半径80mを走り始める。

 走り始めて5分もしない内に、気配感知に反応出て来た。

「(何か居るな・・・)」と足を止め、反応のあった方向を伺うが、何も見えない。

 距離はここから結界の外周部へ向かって30mぐらいだろうか?


 更に気配察知に集中すると、


≪ピロリン♪ スキル:マッピングLv2を取得しました。

    これにより、マッピングと気配感知の合成スキル:レーダーマッピングLv2

    を取得しました。≫

≪レーダーマッピングを常時発動しますか? はい/いいえ≫


と出て来たので、「はい」を選択。


 どうやら、その前にマッピングがLv2に上がった事で、マッピング半径が50mに広がっているらしい。

 自分を始点に50mのエリアがマップに表示され、30m地点に赤い点がチョコチョコと動いている。


「うーん、便利になったんだけど、この反応は何だろうか?」

と、赤い点に集中していると、常時発動していた鑑定の影響で、


≪ピロリン♪ スキル:鑑定Lv3を取得しました。≫


とのアナウンスと共に、マップ上の赤い点に説明が出る。


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種別:アンコウサギ

説明:魔物ではなく動物で魔石を持たない。警戒心が強く、臆病。

   逃げ足は早く、柔らかい土に穴を掘り、暮らしている。

   すぐに穴に逃げ込むので、狩りの初心者には、ちょっと難しい。

   正しく血抜きをした肉は煮込むと良い味が出る。

   直火の焼き料理だと、肉が固くパサつきやすいので、内臓を

   取った後に香草や野菜類を詰め込み、蒸し焼きにするとジューシー

   で美味しく頂けます❤

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「ほう!鑑定が進化して、超便利になってるぅ~ よし、今晩は久々に手の込んだ料理を作るかなw」

とほくそ笑み、隠密スキルを発動し、回り込んで風下から接近を試みる。


 マップ上で10mぐらいまで近づいたので、そっと木の枝に飛び移る。

(居た居たw 結構デカイな。柴犬の成犬ぐらいのサイズか。丁度お尻をこっちに向けて、草を食べてるよ。)

 さて、どうやって仕留めようか?と思案した結果、今回は風魔法で斜め上から首を狙う事とした。

 射線を取るべく、更に他の木へ音もなく飛び移り、首が狙える高さに登り、一撃で仕留める為に、魔力を指に集め風の刃をイメージし、ウィンドカッターを発動する。

 目に見えない風の刃が、サクッと首に当たり貫通。

 それでも風の刃は止まらず、地面に当たり、「ボコッ」と言う衝突音とともに、地面に穴を開けた。


 と同時に、


≪ピロリン♪ Lv2にレベルアップしました。≫


とアナウンスが流れる。


 その穴にアンコウサギの首は落ち、噴き出した血が穴に溜まっていった。


 結構グロいシーンであるが、武道の鍛錬の一環で、サバイバルの訓練も受けていた海渡には、それほど違和感は無い。


「お! これぐらいでレベルが上がるのか!! しかも丁度血抜き用の穴が開いてるじゃん。有効利用しよう。」


 アンコウサギの足にロープを括り付け、穴の上に吊るす。

 腹をナイフで引き裂き、内臓を取り出して、穴に入れると、そのまま皮と肉の間にナイフの刃を入れ、皮を剥いでいく。

 剥き身になった肉と毛皮を、水魔法で水塊を作り、水塊内で水流を作り、丁寧に洗う。


 穴を土魔法で埋め、使ったロープとナイフと肉塊と毛皮をアイテムバックに収納して、完了。


レベルアップしたので、久々にステータスを確認してみる。


『ステータス』

************************************

 名前:(冴島海渡(仮))

 年齢:5歳(27歳)

 種別:人族(+α)

 職業:(テスター)(考古学者)

 Lv:2

 HP:550/550

 MP:650/682

 筋力:728

 俊敏:312

 武術:剣術Lv10 槍術Lv10 忍術Lv10 体術Lv10

 魔法:火Lv1 水Lv1 風Lv1 土Lv1 光Lv1 闇Lv1 聖Lv1 時空間Lv1

 スキル:鑑定Lv3 アイテムボックスEx 言語理解Lv10 経験値増加

     スキル取得補助 隠密Lv5 気配感知Lv5 女神の知恵Ex

     魔力感知Lv2 魔力操作Lv2 レーダーマッピングLv2 多重処理

     身体強化Lv1

 称号:武術マスター(異世界の訪問者)(神々の使徒)(インテリ筋肉)

    (冒険に童貞を捧げし者)

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 ふむ・・・レベルが1つ上がると、各ステータスが約2割アップする感じかな? 筋力とかはきっと、トレーニングで上がってたんだろうな。

 つまり、ベースとなるスペック値が上がれば上がる程、伸びが大きくなる感じみたいだな。

 伸び率とかの予想も立てられるように、これからは、毎日ステータスをチェックしようと思ったのだった。


 ちなみに、夕食に作ったアンコウサギの蒸し焼きは、非常に美味しかった。


 が、頑張って食べても9割ぐらい余ってしまい、暖かい内に食べる分だけ切り分けて、アイテムボックスに保管してある。

 アイテムボックは時間が経過しないので、暖かい物はいつまでたっても出来たてで、暖かいままである。

 今後の移動時を考えると、先に作り溜めしておくのも、良い手だな。正にアイテムボックス様様だな。

 そうそう、アンコウウサギの蒸し焼きを作っていたら、


≪ピロリン♪ スキル:料理Lv1を取得しました。≫


って料理スキルが取れた。


 大学入学と同時に上京し、一人暮らし歴が長かったので、料理は苦にならない と言うか、寧ろ好きな方で、冷蔵庫にある物で如何に美味しい物を作るか、色々考えたりしていた。

 大学の研究室の後輩たちを呼んで、料理を振る舞う事もあった。


 だから、料理スキルが取れた事もあり、この世界の食材で色んな物を作ってみるのも面白そうだな と思うのだった。

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