第7話
異世界2日目が始まった。
結界のタイムリミットがあるので、早々にも本格的なLv上げを行わなければならない。
寝袋から出て、木々の間から見え隠れする朝日を眺めつつ、ベースキャンプの位置をどうするか、考えた。
現在、転送された場所である、ユグドラシルの木の根元にテントを張っているのだが、問題は昨日見た限りだと、水場が近所に無い事である。
風呂はともかく、限りある現在の水の量だと、今日にでも水源を確保しないと、ヤバい。
「ベースキャンプ地を移動すべきかなぁ?」と考えたが、ふと「そうか、魔法があるのか!」と閃く。
女神ジーナの作ってくれた魔法の教本を思い出し、アイテムボックスから取り出してみた。
表紙はかなり高級感のある立派な皮製で、金色の文字で「魔法の手引き by 女神ジーナ」と書かれている。
逸る心を抑えつつ、1ページ目を開くと、目次が乗っている。「どれどれ?」と
・最初に・・・・・・・・・・・・・・2
・初めて魔法を使う為の準備・・・・・10
・魔力の増やし方・・・・・・・・・・12
・魔法の発動方法・・・・・・・・・・13
・付与魔法について・・・・・・・・・14
ん? えらく目次の項目少ないなぁ? とページを捲るり、<最初に>を読み始める。
------2ページ目-----
はーい、女神ジーナです!! (おいおい、えらく砕けた文章だなw)
この本は、なーんと、このファンテスタ神域の主神たる女神ジーナのお手製なのですよ。
そちらのノバ・・・あ、今居る星ね、ノバって言う名前なのね。
で、ノバの人は生まれながらに、体内に魔力を生成するして蓄える器官が備わってるの。
保持してる魔力の大きさは、種族と各個人によって千差万別なんだけど、最低限の魔力はみんな持ってるんだよー。
基本ノバには、空気中にも地中にも魔素と呼ばれる、魔力粒子があって、植物も動物も魔物も人も、食物とかと一緒に魔素を取り込んで生きてるんだよねぇ。
と、まあここら辺の設定は、「異世界転生したら賢者でおま」ってラノベから頂いちゃったんだよね。(マジか、そこまでラノベかよw)
いや、マジで日本のラノベって最強ですよ。
あ、私だけじゃなくて、ファンテスタの神々の中でも結構みんな参考にしてるんだよね。
(そして2ページ目の半分は女神ジーナのデフォルメ挿絵だった)
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「なんじゃ、この本は!!!!!!!」と、地面に投げちゃったよ。
いや、いかんいかん、体が5歳児になったせいか、ちょっと感情的になってしまったようだ。
気を取り直して、本を取り上げ、3ページ目を開く。
------3ページ目-----
おっと、ちょっと脱線しちゃったけど、ノバではみんな5歳になると教会で洗礼を受け、ステータスウィンドーが開けるようになるんだよね。
そこで、各自の魔法の素養が確認出来るようになるの。
海渡さんのステータスは、女神ジーナ頑張っちゃいましたんで、最初からLv1になってますが、普通はLv0で使えないんだよ?
で、みんな練習してLv1を取って初めて発動する感じ。
だから、女神ジーナを褒めて良いのだよー!
(ふむ、まあそこは素直に感謝だな)
(そして3ページ目の2/3は教会の洗礼で、女神ジーナが子供に光を当てるような挿絵)
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「・・・・・」
なるほど、こういうスタンスの本か・・・。
まあ、でもチラチラこっちの世界の常識?が紛れ込んでるから、一概に無視は出来ないのだが、しかし苦痛だな。
「まあ、いいや、先を読もう。」
------4ページ目-----
えっと、どこまで話したっけ? あ、そうそう人には、魔素を取り込んで、魔力に変換したり、魔力を蓄えたりする器官があるって話たと思うけど、大体お臍の辺りにあるんだよね。
ただ、デザインする時グロかったので、目に見えない感じにしちゃったから、見た目的にも人の体内は、地球と変わんない感じになってるんだよ。
(次の行辺りには何かのシミと細かなカスがこびり付いてる・・・ 飲み食いしながら本を書くなよ!!!!!(怒))
で、目に見えない器官だから、体の小さな人でも魔力量が大きかったり、体の大きな人でも魔力量小さかったりって感じで、体の大きさには関係ない・・・って設定になってるだお。
で、保持できる魔力量は、鍛錬で増やせるようになってます。
まあLvが上がれば、自動的に増えるけど、魔力量を増やす鍛錬をして増やすのは、別口だから。
魔力量を増やす鍛錬して、ベースの魔力量・・・あステータスのMPの所ね、これの分母を増やしておけば、Lvが上がった際の魔力量の増加量も加算されるって仕組みな訳ですよー。
あ、これは筋力とかも同じなんだけどね。
なので、日々鍛錬ですよーー 頑張っちゃってください。
(そして 女神ジーナが竹刀を持って、鍛錬させてる挿絵)
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「・・・・・」無言でページを捲る
------5ページ目-----
うーん、ページ余っちゃった。
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------6ページ目-----
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以下、9ページまで空白が続く・・・。
気を取り直し、10ページ目を開くと、
------10ページ目-----
■初めて魔法を使う為の準備
まずは、体内の魔力を感じ取ります。
人によって感じ取れるようになるまでの早さも、感じ取れる感度も違うんだけどね。
さっきも話したように、お臍の辺りに器官があるので、そこに意識を集中してみて。
(目を瞑って、臍の辺りに意識を集中してみる)
(・・・・・)
(・・・・・)
(うーーん、何も感じない)
(・・・・・)
(・・・・・)
(ん、これか? 何かグルグルと回る熱の様な物がある気がする)
(うん、あるね。 これだろう。 一度感じ始めると、確かに「そこ」にある事が判るようになる)
(それと同時に、その臍の辺りから全身に流れ、また臍の辺りに戻って来る流れを感じる)
どう?感じた? 魔力はお臍の辺りから体中を巡るように流れてるんだけど、その流れも感じてみて?
これを日々意識してやると、「魔力感知」スキルとが取得できるようになります。
魔力感知を鍛えると、自分の魔力だけじゃなくて、他の魔力も感じる事が出来るようになるんだお。
そして、それを使えば、レーダーやソナーの様な事も出来るから、とーっても便利だよ!
(そして 魔力が循環するような挿絵 と レーダーで敵を発見して、ハッとした顔をしている俺?のデフォルメキャラの挿絵)
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≪ピロリン♪ スキル:魔力感知Lv1を取得しました。≫
「お!出来た!!」
まあ、ふざけた文章だが、結構役にたつじゃないか。
そして、ページを捲る。
------11ページ目-----
魔力感知が出来るようになった、次は、魔力操作だお!
魔力操作ってね、今体内で流れる魔力を感じてると思うんだけど、それを意図的に集めたり、流れを早くしたり と、自由に動かす事なんだけど、やってみて。 多分、最初は利腕の手の平とか指とかに集める感じが簡単だと思う。
(まずは、流れを感じてっと・・・右手の人差し指だけ立てて、指さすような感じにして、指先に魔力を持って行くようにイメージする)
(・・・・・)
(・・・・・)
(・・・・・)
(流れが意図的に指先に集まる感じがするな。もっとイメージ!!)
(・・・・・)
(おお、指先に集まって来るな。指先が暖かくなってきた・・・)
(おおお! ちょっと何かヤバい? 止めよう・・・あっ!)
「(パンッ!)」
(音はしないのだが、何かが弾けるように指先から飛び出した!)
(と、同時に、今まで感じていた魔力の流れの感覚が消え、意識も飛んだ)
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