第5話
暖かく柔らかい物に包まれて、まどろんでいる感じから急転し、落下する夢の様な感じ。
目を開けると、そこは森の中だった。
「あれ? 俺何してたんだっけ?」
と、ぼんやりとした意識が徐々に覚醒していく。
辺りを見回すと、巨大な木にもたれ掛かるように座っていた。
『目が覚めましたか? ジーナです。 起きてくださーーーい』
頭に声が聞こえ、辺りを再度見渡す。
『直接頭に声を送ってます。地球で言う所のテレパシーみたいな感じです。』
「あ、そうかここが、その世界か・・・」
『そうです。声に出さなくても、頭で念じれば、会話出来ますので』
『これで良いのかな?』
『はい、大丈夫ですよ。 さて、肉体改造終わりました。 幾つかご説明させて頂きますね』
『まず、遺伝子操作で魔力の適性を持たせる為、適正な肉体年齢と言う制約があるため、現在の肉体年齢は、5歳となってます』
『えーーーーーー! それは・・・ クーリングオフ出来るのか?』
『すみません、説明が足りて無かったですが、クーリングオフは対象外です。
でもご安心下さい!
地球での知識もそのままで、筋力も元の肉体と遜色ありませんので。
勿論、地球で身につけた武道もその肉体で再現可能です。』
『ふむ・・・、まあじゃあ良いとするか。
で、ここは何処なんだ? 人の住んでいる場所って、ここから近いのかな?』
『えっと・・・ そこはから人の住む場所までは、かなり離れておりまして・・・。
送り込む場所に、適正な場所と言うのは、魔素の濃いい場所で、目標である必要があったので、ユグドラシルの木の生えている、そこになってしまいました。
現在、その周囲には、転送時に出来た余波で、結界が貼られてますので、魔物は居ません。』
『マジか・・・ で、ここらの魔物って強いのか? 結界から出て瞬殺とか無いだろうな? 食い物とかあるのかな?』
と、生きて行く上で、切実な問題から質問していく。
『結界は現在半径200mぐらいです。結界を超える際には、超えた感覚が判ります。
結界はあくまで転送の余波なので、日々収束していきます。
約1ヵ月で消滅します。
その間に、その体とこの世界に慣れて頂ければ と。
あと、食料ですが、このユグドラシルの実も食べられますし、他の木の実や、魔物を狩って、食べる事が出来ます。』
『毒が含まれる物とかあるんじゃないのか?』
『ええ、毒を含む木の実や草や、魔物も存在します。
なので、鑑定スキルを取りやすくしてます。
一度、その辺にある石とか草とかを見て、鑑定と念じてみて下さい。』
辺りを見回し、所々銀色に輝く石を見つけ、『鑑定』と念じてみる。
・・・・
『何も起こらないが?』
『あれ? おかしいですね・・・。
もっと強く何回か念じてみてください。心の中で、強く「これを知りたい」と思って下さい。』
『・・・判った。
鑑定・・・鑑定・・・鑑定・・・』
≪ピロリン♪ スキル:鑑定Lv1を取得しました。≫
頭に機械音の様な声が鳴り、目の前と言うか、頭の中に1つのウィンドーが浮かび、石の詳細が出て来た。
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ミスリルの鉱石
説明:ミスリルを含んだ鉱石
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『え?これだけ???』
『この世界には、レベルが存在します。
あ、「ステータス」と念じて下さい。
ステータスウィンドーが出て、ご自分のステータスが確認出来ます。
スキルにもレベルがあり、熟練度によってレベルが上がると、鑑定でより詳細な情報が取得出来ます。』
『ステータス』
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名前:(冴島海渡(仮))
年齢:5歳(27歳)
種別:人族(+α)
職業:(テスター)(考古学者)
Lv:1
HP:500/500
MP:500/500
筋力:500
俊敏:220
武術:剣術Lv10 槍術Lv10 忍術Lv10 体術Lv10
魔法:火Lv1 水Lv1 風Lv1 土Lv1 光Lv1 闇Lv1 聖Lv1 時空間Lv1
スキル:鑑定Lv1 アイテムボックスEx 言語理解Lv10 経験値増加
スキル取得補助 隠密Lv5 気配感知Lv5 女神の知恵Ex
称号:武術マスター(異世界の訪問者)(神々の使徒)(インテリ筋肉)
(冒険に童貞を捧げし者)
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「ふむ・・・まあLv1なのはしょうがないが、この世界の平均的なHPやMPが判らないから、強いのか弱いのかが判らんなぁ。」
と呟くと、
『一度遺伝子操作でリセットしているので、Lvはやはりどうしても1からとなってしまってますが、元となった肉体のスペックが高かったので、こちらの人族のLv1に比べ、約5倍ぐらの初期値となってます。
スタート地点がスタート地点なので、結構頑張ってみたんですが、これが精いっぱいでした・・・すみません。
この世界の一般人の大人Lvは、大体15で、HPとMPは人によって前後しますが、高い人でも300ぐらいです。
これが、兵士や冒険者となると、最大でLv50ぐらいでしょうか。HPは高い人で800ぐらい、MPは適正によりますが、魔法に適した職業の大魔法使いや賢者で
1200ぐらいです。
まあ、希に生まれる超ラッキーな人は、桁違いですがね。』
と、申し訳なさそうな女神ジーナ。
『なるほど・・・と言う事は、Lvを上げしていけば、かなりのチーターになれる感じかな?
Lv上げって、やっぱり魔物討伐で経験値を貯めて上げる感じ?』
『はい、ラノベや異世界ゲーム的な感じで作られた世界ですので、そうなります。 ここら辺の魔物は・・・かなり強力なのばかりなので、最初は十分に、注意してください。
本当に重々注意してくださいね? 鑑定スキルを有効活用してください。
鑑定スキルのLvが上がれば、相手のLvを含めたステータスが、確認出来るようになります。』
『まあ、いきなり闇雲に突っ込む様なバカは、やらないから安心してくれよ。
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」って言うからな。』
『海渡さんなら、そこら辺は大丈夫だと思ってますが、結界が消えるまでに、十分今の体に慣れて、Lv上げを行ってくださいね。
判らない事とかあれば、スキルの女神の知恵が教えてくれます。地球のグー〇ルとウッキーを真似て作ったスキルですので、お役に立てるかと。』
『色々ありがとう。で、テスターって事だったけど、報告とかって、どうすれば良いのかな? こうやっていつでも話せるのかな?』
『現在、転送時の余波による一時的な物なので、こうして会話出来ていますが、結界の外や結界消滅後は、このように会話は出来ません。
でも、人の住む町には、大抵教会があります。
そこで祈って頂ければ、私に繋がりますので、用があってもなくても、ちょくちょく声を掛けて頂ければ、嬉しいです。』
『(嬉しい??)・・・判った。
人の町に辿り着いたら、教会を探してみるよ。』
そして、海渡は立ち上がり、自分の体や服装をチェックしてみる。服装は中世のヨーロッパの村の子供が着ているような生地で綿かな? 長ズボンに白いシャツ、
胸には皮で出来た鎧?胸当て? と、簡素な物だった。
「あれ? 武器無いのか・・・ この体系で素手の格闘は、ちょっと厳しくないか? あ、魔法を使うって手もあるのか? 」
と、呟くと、
『ああ、大事な事を言い忘れてました。最初にお持ちになっていた、バックパックや、洋服等の持ち物は、アイテムボックスに収納されています。
アイテムボックスは、心の中で「アイテムボックス」と念じれば、収納されている物のリストが頭に浮かびます。出したい物を念じれば、外に出せるようになります。
入れる際は、手で触れて「収納」と念じれば、アイテムボックスに収納されます。
異世界ファンタジーのお約束通り、アイテムボックス内の時間は停止した状態に
なります。
容量はExなので無制限となります。
但し、生きてる物・・・魔物や人とかは入れる事が出来ませんので、ご注意下さい。
あと、武器も幾つか見繕って入ってますので、使ってください。
あと魔法ですが、私が編集した「魔法の手引き」を入れてます。
是非お読みになって、魔法ジャンジャン使ってください。
では、また何かあれば、いつでもお声を掛けてくださいね。』
『ああ、色々とありがとう。』
と、交信を終えた。
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