第百三十八話 全陣営会談(1)
全陣営会談がここに始まる。
この場にいる全員がある種の緊張感をもって会議の成り行きを見極めようとしている。
少なくとも、魔女ヴァギアが何を考えてこの会議を開催したのか、その本心を知りたいと考えていた。
「あらあら? みんな緊張してるのかしら? もっとリラックスしてもいいのよん♥ 初めてだからって緊張しないで? ガチガチなのはあっちだけで大丈夫♥」
ふざけた物言いで、魔女ヴァギアが椅子に座る。
背後には二人のサキュバス。案内人を任させ、かつ後ろに侍ることを許されるとなるとそれなりの地位にある者だろう。
拓斗にとってのアトゥ。優にとってのアイ。そのような重要な位置だ。
少なくとも、護衛として十分な能力を有しているであろう事はよく分かる。
(魔女ヴァギアか……ここに至ってもプレイヤーがいないという事は、隠れているのか? それとも彼女の傀儡となっているか……。それにしても、すごい格好だなぁ)
分析もさることながら、拓斗は目の前で機嫌良く笑うサキュバスの女王の格好に呆れてしまう。
いつの日かのように全裸というわけではないが、それでも全体的に露出が多い。そのグラマラスな体型もあって実に目のやりどころに困る。
サキュバスの女王として見るなら100点満点なのだろうが、交渉相手として見るならあまりにも品性に欠けるというのが本音だった。
だがそんな人の性欲という概念を煮詰めて形にしたような彼女であってすら、この場所がすでに戦場であることは理解しているのであろう。
参加者全員が様子見に回っている事を理解すると、ホストの役目だとばかりに会議を進行していく。
「仕方ないわねぇ、じゃあ私が開催したお話だし♥ 言い出しっぺが挨拶しましょうかね? こほん――初めまして、全国家の代表者♥ そしてプレイヤーの皆さん♥ 私がこの地を治める新たな支配者! サキュバスの女王にしてエルフの王! 貞淑の魔女ヴァギアよ♥」
勢いよく立ち上がり、揺れる豊満な胸を見せつけるかのようなポーズとともに宣言する。
背後に侍る二人のサキュバスがパチパチと拍手をし、各参加者に向けて投げキッスをしていく。
このまま自己紹介でも始める流れだろうか?
拓斗が自分の番に緊張してつっかえずに言えるかな? などと一瞬本筋から離れた事を考えていると、予想せず彼が求めていた情報が明かされた。
「あっ、ちなみに。持ち込んだゲームシステムはADV♥ ゲーム名は「ドキドキ☆サキュバスワールド ~現実世界にサキュバスがやってきた件~」よん♥」
「ドキサキュかよ!」
(ドキサキュか……)
優が思わず叫び、拓斗は心の中でつぶやく。
ドキサキュの名称で親しまれるそれは、拓斗が元いた世界で有名なアダルトゲームだ。
ジャンルとしてはアドベンチャー。ある日異世界から侵略してきたサキュバスによって世界が征服され、その後サキュバス達とひたすらイチャイチャするというお馬鹿系に属する成人男性向けゲームである。
ゲームシステムとしては目新しいものはない。というよりもグラフィックや音声、そして物語を読むことが主軸とされるアドベンチャーゲームにおいて、複雑なゲームシステムを用意両立させよという方が無理がある。
すなわち、システムに関する脅威度は低脅威。少なくともどのような裏技じみたやり方を用いたところで、拓斗たちに直接攻撃をする手段はない……。
(それにしてもまさかアダルトゲームか……)
正直なところその可能性は流石にないだろうと思っていた拓斗は、この世界で起きている戦いにはあまりにもそぐわぬそのチョイスに少々面食らう。
だがその衝撃はまた別の驚きによってかき消された。
(くそっ! だから七神王か! 優め、ちゃんとシステム毎殺しておいてくれなかったことを恨むぞ!)
サキュバスの陣営に特殊な能力は無い。
強いて言うならドキサキュの愛称で呼ばれるゲーム内における設定くらいだ。
サキュバスは現代人類では到底敵わぬ強力な種族で、数が多い。それが唯一彼女たちの武器であったのだが、ことここに至ってはその前提が全て覆される。
強力な軍隊と強力な能力。そしてエル=ナー契約連合の土地が持つ膨大なマナ。
そして極めつけは七神王のシステム……。
それらが牙をむけばどれほどの被害になるか分かったものではなかった。
「ふふふ♥ ドキサキュを知っている人がいたみたいねん♥ いろいろゲームの話で
当然互いの事を紹介する流れか。
情報収集をメインとしている拓斗としてはうれしい状況だ。この調子で他の陣営もべらべらと自分たちの能力や内情を話してくれるとうれしいところだが……。
拓斗は目立たぬ程度の静かな動きで辺りを見渡す。
いくつか席に座っている人物が見え、人がいない席にも小さなオブジェクトが用意されている。
一見して学生が美術の時間に作った粘土細工の様にも思えるが、その一つにダイスを模した意匠が施されている事を確認し目を細める。
(気になるところだけど、まぁアレについてはいずれ分かるか。他の席は……フォーンカヴンは予定通り参加だね。他の暗黒大陸の中立国家が来なかったのは流石に相手が相手だからかな? サザーランドは来るかなと思ったけど、ドワーフらしき人はいないし不参加か)
予想していたとおり、暗黒大陸領域、すなわち南部の大陸における中立国家の参加率は悪い。
(二つの小規模都市国家は仕方ないとしてもマイノグーラを除けば暗黒大陸一の国力を持つサザーランドが不参加だったのは意外だな。フォーンカヴンが参加したからには対抗して使者を送ってくると思ったのだけど……)
とは言えフォーンカヴンもぺぺが参加しておらず、おそらく杖持ちと思われる獣人が参加している辺り警戒はしているのだろうが……。
拓斗は一瞬でそれらを吟味し、次いで正統大陸――すなわち北部大陸の参加者に目を向ける。
(サキュバスの陣営はまず当然として、エルフも人を立てているのか。ただ聖女ではなさそうだ。あくまで名目上って感じかな?)
聖なる国家の最高戦力である聖女。それは無論エル=ナー精霊契約連合にも存在している。
通常ならば自分たちの立場を示すためにも聖女を出してくると思ったのだが、サキュバスに支配されたエル=ナーはおろかクオリアですら聖女を出してきていないのは少し不思議に思えた。
(エル=ナーはサキュバスの魔女ヴァギアとエルフの代表らしき老人。そしてクオリアは……聖職者。結構位が高そうに見えるからあれが三人いる法王の一人かな?)
拓斗から視線を向けられていることに気付いたのか、クオリアの出席者である人物がびくりと怯えた表情を見せる。
見た目の仰々しさと金のかかり具合の割には肝っ玉は小さいようだ。
あまり刺激するのも悪いかと思い拓斗はわざとらしく視線を外すと、その意図について考える。
(クオリアも中立国家と同様にこの会議に慎重になっているということか? あの国の最高戦力は聖女。残る聖女は二人で、流石にそのどちらかを連れ出すのは万が一があった時のリスクが高いと踏んだ可能性がある。まぁ僕らも影を出している以上、裏を読まずに真面目に参加しているのは優だけと言えるのは皮肉だな)
北部大陸――正統大陸の参加者は少ない。二大国家を除けば暗黒大陸の様に他の国家や種族は存在しない。大陸全土を招く全陣営会談とは名ばかりで、実際の参加人数は予想以上に少なかった。
(正統大陸が二陣営、そして暗黒大陸が三陣営……か。一応大物は全員参加してると言えるが、それよりも重要な事がある)
拓斗が様々な情報を吟味し、推察している間に各陣営の挨拶が進んでいく。
エルフが種族の代表として参加している事を表明し、予想通りクオリアが三法王の一人であると述べる。フォーンカヴンが代理であることの謝罪と共にこの場が良き出会いになるようにと語る。
拓斗も――まぁ少々堅苦しく人を寄せ付けない雰囲気が出てしまったが、無事に自分たちの紹介を行った。
ゲーム名や担当神は……迷ったが優が名乗っていなかったことから名前とマイノグーラの王であることのみを述べるに留めた。
そしてこの場にいるであろう陣営全てが自らの所属を述べ、やがて自然と参加者の視線は空席の上に置かれたオブジェクトに向かっていった。
「さて、この場にいる人たちは全員挨拶が終わったようね♥ けど~、みんな気になっているんじゃ無いかしら? 不参加の人につ・い・て♥ いや~ん! 安心して、ちゃんと説明するから、そうがっつかないの♥ エッチには作法が必要なの、鼻息荒いのは嫌われるわよ?」
なるほどなるほどと妙な納得をしている優を尻目に、拓斗はようやく本題が来たかと意識を集中する。
置かれたオブジェクトは三つ。
一つはダイスを模したオブジェ。拓斗の予想通りこの場に居ないプレイヤーの存在を示すものだとすれば、これはTRPGのプレイヤー
あのとき撃破したが殺しきれていなかった。
正直その後の事がおざなりになった感じはあり、気にはなっていたがやはり生きてたらしかった。
おそらく恨みを買っていることは間違いない、互いの格付けは十分に行ったし安易な復讐には走らないと思うが、GMの能力は強力故に楽観視はできない。
次に粉々になったオブジェクトに視線を向ける。
粉々になる。すなわちそれは背後にいるプレイヤーが撃破された証とみることが出来る。その状況に合致してるのは神宮寺優が殺したプレイヤー
よくよく観察してみると粉々になった一部にカードのようなパーツが見える。おそらく鬼剛の分と見て間違いは無いだろう。
(となると最後の一つが問題か……)
そのオブジェは少々奇妙なデザインをしていた。
武器や盾、ネックレスなどのアイテムがごちゃごちゃに詰まった球体の形をしたそれは一見してどのようなゲームを表しているのか不明だ。
ただ剣や盾があることからファンタジー系では間違いないとは思うが、拓斗も変な固定観念が出来ても嫌なのでこの場での判断は保留する。
重要なのは、自分が一切知らない勢力――未だ隠された最後のプレイヤーが存在してるという事実だ。
「ご存じの通り、この世界にはプレイヤーと呼ばれる存在が沢山やってきているわ。皆もすでに気付いているんじゃない? すんごい力を持った人たちが一杯いるって。この場はそのプレイヤーという存在を世界に知らしめると共に、プレイヤー達が顔見せるする場でもあったのよ。もっとも、一部は参加してくれなかったみたいだけどねっ」
その言葉でクオリアとフォーンカヴンの方から息を呑む声が聞こえてくる。
彼らにとっては青天の霹靂だろう。クオリアはエラキノやマイノグーラに散々苦渋をなめさせられている。
フォーンカヴンもマイノグーラと同盟関係になれたものの、魔王軍の脅威は未だ強く記憶に残っているし、何より同盟国のマイノグーラが持つ常軌を逸した強大な力を目の当たりにしている。
そのようなもはや神の所業に等しい存在が、自分たちが知る以上にこの世界にうごめいている。
その事実が彼らを驚愕と絶望に誘うのは当然の結果と言えた。
だがしかし、すでに彼ら自身理解している様に、この場における主役達はもはや彼らでは無かった。
プレイヤー。その存在がこの場に集結し何らかの取り決めを行おうとしている。
会談に参加しているものの、はなから貴様らの存在は添え物であると言われているに等しかった。
事実なにか言おうと口を開きかけたクオリア法王を無視するかのように、ヴァギアは説明を続ける。明確に、この場にいるプレイヤーに向けて。
「この小さな石像は不参加を表明したり、この場にこれなかったりした人たちのものなの♥ 私としては~直接会ってお知り合いになりたかったけど♥ どうしても忙しいって言われちゃったから、その代わりにこれを用意した訳!!」
(そんな裏ルールがあったんだったらはじめから教えてくれよ……。いや、ごねられた場合の妥協案として用意していたのか? だとしたら納得も行くが……そもそもあれはどういう仕組みで動いているんだろう?)
ヴァギアとしてはこの会議に並々ならぬ熱意を注いでいるらしい。
少なくともプレイヤーが全員参加する事は必須だったのだろう。それは参加していない中立国家に対して何の補助もされていないことから明らかだ。
「ということは、そこにある変な置物で音声が繋がってるって事か? 俺たちの会話も聞こえてるって事?」
「ザッツライト! 今まで私たちがおこなってきた秘密のお話も、ぜ~んぶ筒抜け♥ 最高級の盗聴器具並の鮮明さで、向こうに聞こえちゃっているわ♥」
ふーん。と、それだけつぶやいて優は黙った。
順番的には次はこの場に居ない参加者が名乗る番だ。にもかかわらず押し黙っているのが気に入らないのだろう。
一つは粉々に砕けてすでにこの世にいないとしても、ヴァギアの言葉を信じるのなら少なくとも二つは機能しているはずだ。
だが何の反応もないのは何か理由があるのか。
(うーん……少し探りを入れてみるか。あんまりこういうのは得意じゃないんだけど、まぁそうも言ってられない)
今回の目標はできる限り情報を収集する事だ。特にプレイヤーの情報の優先度は極めて高い。であれば多少のリスクは許容できる。
そう判断した拓斗は、憮然とした態度で腕を組む優の代わりに口火を切った。
「なるほど、ダイスの置物があるって事はそういうことなのか。じゃあそこに繰腹くんはいるんだね。久しぶりだね繰腹くん。キミもこの全陣営会議に来ていたんだ。今はどこにいるの? ちゃんとご飯食べてる? 二人の聖女は元気かな? どうか声を聞かせてよ」
「………っ!」
「だんまりとはあんまりじゃないか繰腹くん」
反応があった。
拓斗は内心でほくそ笑む。わずかな声だったが相手が萎縮する声が伝わってきたのだ。
何も言わないところを見るとこの会議に対して警戒心を抱いているのは間違いない。加えて拓斗が話しかけた時の反応から自分に対して忌避感を覚えていることも分かった。
(繰腹の能力は正直怖いから、向こうがこちらに対してビビっていると分かったのは幸いだった。これは後々利用出来るかもね……)
拓斗の判断の通り、繰腹慶次というプレイヤーはイラ=タクトに対して強い苦手意識を抱いている。それは怯えと言っても良いだろう。
かつての戦いで彼の心は完全に折れていたのだ。もっとも、拓斗側も薄氷のごとき勝利であったため、繰腹に対してある種の苦手意識を感じているのだが……。
「……誰?」
憮然とした態度だった優が興味深げに聞いてくる。
そういえば優が鬼剛を倒したエピソードは聞いたが、こちらがTRPG勢力を倒した話はしていなかったなと拓斗は思い出し、説明をしてやる。
といってもこの場で詳細を語るのは少々よろしくないのであらましだけだが……。
「TRPGのプレイヤーだ。魔女は殺したが本人には逃げられている」
「あー、確かアトゥちゃんを寝取られたんだっけか? 本人殺せなかったのは不味いよな!」
「寝取られてはいないよ。不愉快だから正しい言葉を使って」
思わずぶち切れそうになる拓斗だったが、ここで怒りをあらわにしては背後に侍るアトゥの皮を被ったヴィットーリオが喜ぶこと間違い無しなので怒りを静める。
もし自分にストレス耐性というステータスがあったら、間違いなくこの場で上昇していただろうなと考えながら……。
「あーっ! 悪い、マジで悪い! 笑って許してくれよなー、ははは! ところで、繰腹くんとやらは分かったけど、もう一つの方。ちゃんと向こうに人がいるのか? なんか返事ないけど不具合じゃねぇの?」
「繰腹くんはシャイだから仕方ないとして、その点は僕も気になるかな」
ふん、と優が鼻で笑った。背後のアイは何も言わない。
彼にしては対応がとげとげしいところを見ると、こういうどこかに籠もって顔を出さずに動くタイプの人間が嫌いらしい。
(僕と戦った時ですら徹頭徹尾隠れていた繰腹くんとは相性最悪だろうな)
幸い二人が会う予定は今のところ無いが、万が一繰腹とまたぶつかる事になれば優を矢面に立たそうと拓斗は思った。
「そっちもダンマリってことでいいか?」
もう一人に、優の鋭い指摘が投げつけられる。
言葉に苛立ちが籠もっている。一触即発とは言わないもののあまり良い雰囲気とは言えない。
チラリと見たヴァギアはその様子を楽しそうに眺めている。介入したり場を取り持ったりする気は無いらしい。
やがて、と言おうか、少しだけ間を置いて意外なことに返答があった。
「聞こえている。……が、ことさら自分の情報を伝えるつもりはないのでね。すまないがご了承願うよ」
「へぇへぇそうですか……」
声音は成人男性のそれ、自分たちよりは確実に上だが、といっても父親やおじさんと言ったレベルでは無い。
20代……もしくは30代前半。
ボイスチェンジャーや偽装系の能力でも使っていない限り、おおよそ間違っていないだろう。
かなり警戒しているようだ。これでは一方的に情報を渡しただけとなってしまう。もう少し何かでてこないかと拓斗は難癖を付けてみる。
「せめて名前だけでも教えて欲しいんだけど? 名無しの彼とは呼べないだろう?」
「そうねぇん、ではH氏ということにしておこうかしら? 私もそう呼んでいるわん♥」
最後のプレイヤー……彼の代わりにヴァギアが応えた。
あまり良くない流れだ。
拓斗は瞬時にこのH氏とやらがどのような立場の人物かを推察する。
自分で宣言するのならばまだしも、ヴァギアから。加えて名乗りの際も徹底的な情報の秘匿。
それはすなわちサキュバス陣営がこのH氏と呼ばれる謎のプレイヤーを切り札として温存している可能性を強く示唆している。
少なくとも、相手は自分同様この場で全てをさらけ出して仲良く会談とするつもりではないことがよく分かった。
当初の考えとは違い、敵の罠の可能性がより高まったことを拓斗は理解する。
「と言うわけでこの場に参加してる全勢力の紹介も終わったわね! あっ、そうそう♥ 今日はここに集まっていただいた皆にサプライズ報告があるの、聞いてくれるかしら?」
ほらきた。拓斗は内心でため息を吐く。
同時に視線で優に合図し、背後のヴィットーリオに念話で指示を出す。
その可能性は高いと見ていたが、当然の様に攻め手に出てきたようだ。
彼女が持つ拡大の本能を考えるのならば当然か……。
「我々エル=ナー性霊契約連合はこのたび聖王国クオリア、およびプレイヤーH氏と永久同盟を結びます♥ そしてこの魔女ヴァギアが同盟主となり、ここに新たな秩序、正統大陸連盟の設立を宣言しまっす♥」
(おまけにクオリアもグルか……)
クオリアの法王が苦々しい態度を見せていることから、全体の同意がとれている訳では無いらしいが、国として承認が下りているのは間違いない。
全世界のパワーバランスがこの瞬間に確定したと言えよう。
実にいやらしく、実に堅実なやり方だと拓斗はどこか場違いな感想を抱く。
相手の手段を全て奪い、こちらの有利に進める。これがテストであれば100点を上げたいところだ。無論その相手が拓斗たちでなければという前提がつくが……。
「その上で、私は皆に新たな秩序と平和を提案するわん」
勝ち誇った様に宣言するヴァギア。
拓斗はその宣言を聞き、ただただ無表情に彼女を見つめ返すのであった。
=Message=============
同盟が締結されました。
正統大陸連盟
盟主:貞淑の魔女ヴァギア
参加陣営:
・ADV陣営
・H氏陣営
・エル=ナー精霊契約連合
・聖王国クオリア
同盟関係が解消されるまで、同盟国家間での戦闘行為は禁止となります。
また他国への宣戦布告は同盟国全体となり、その決定は盟主のみが行えます。
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