第百十話:献身(2)

 英雄ヴィットーリオによるあまりにも専横な発言。

 現体制に対する宣戦布告ともとれるその言葉にも、拓斗はいたって冷静に言葉を返す。


「実に頼もしい発言だ。問題は僕の許可が一切取れていないという点だけれども」


「許可! 認可! 裁可! 手続きは無限に煩雑化し、かかる時間は永劫に膨らみ続けるもの! ですがぁ~、時として現場の判断が優先されることもございましょうぞ! 特に! それがっ! 主の御身と国家の将来に関わることならばっ!」


 ヴィットーリオは能力主義であり結果主義である。

 目的を果たしさえすればどのような振る舞いも許されると考えており、最終的な結果さえ得られれば、その途中に存在する様々な諸問題など路傍の石以下であると考えている。

 その考えがあるからこそ、彼は自らが神と崇めるイラ=タクトを守り切れなかったダークエルフたちの排斥を考えているのだ。責任を果たさぬ者に価値はない。

 ……もっとも、彼は今の今まで拓斗以外に価値を見いだしたことなどないが。


「現場主義かぁ。確かに信仰を集めた手腕はさすがだ。おかげで僕も早く復活することが出来た。いろいろな面倒毎に決着が付いていない段階で僕の長期不在は致命的だったから、独自の判断であったとしても素早く動いた君の行動は最も正解に等しいとも言える」


 当初、拓斗の意識喪失は長期化すると思われていた。

 それはアトゥやダークエルフたちがその全力を持ってしても一向に解明と治療が出来ず、ただひたすらに時間を浪費していたことからも明らかである。

 その危機的状況がヴィットーリオの召喚後、僅かな時間をおいて解決したのだ。

 彼の言うとおり、その功績が比類無きことは拓斗としてもよく理解している。


「であれば何ら問題ないのでありませんかなぁ? 吾輩は常に結果を出してきておりますぅ! ちゃんと貢献しておりますぅ! 結果を出せなかった者と、結果を出した者。信を向けるはどちらか明白ではぁ?」


 からかうような物言いだが、今回はダークエルフ達も反応はしない。

 唯一ヨナヨナが拓斗に対する礼儀を知らない態度にビクリと反応し、周りに分からぬようヴィットーリオを強くにらみ付けているだけだ。

 皆が理解してるのだ。その態度や振る舞いは最低の一言ながらも、その功績はまさしく英雄にふさわしいということを。


「――ところで、あのドひ……じゃなかったアトゥ君がこちらにいないのは、何か意図があってのことですかなぁ?」


 不意に、話が大きく逸れた。

 すでにヴィットーリオによるある種の挑戦ともとれる宣言も終わった。

 語りたいこと告げたい事を自由気ままに披露した満足感があったのだろうか? それとも単純な疑問かもしくは警戒か。

 わざわざヴィットーリオの方からこの場に居ない腹心の少女についての話題が振られる。


「アトゥがいない理由か。変な事を聞くねヴィットーリオ。アトゥがいれば君が困るでしょ?」


 ヴィットーリオとアトゥは犬猿の仲だ。

 舌禍の英雄としてはそこまで特別な思いを抱いている訳では無いが、こと汚泥の英雄に関してはそれはもう毛嫌いという言葉では表せない程に嫌悪感を抱いている。

 故に拓斗はこの場にアトゥを呼ばなかったのであろう。

 呼べば必ず二人は争いを起こし、たとえ拓斗が注意したとしても何度も会話が中断されるであろうから……。

 そのように拓斗が判断したと、ヴィットーリオを含めたこの場にいる誰もが認識していた。

 配慮のきいたその対応にヴィットーリオは不思議なことに満面の笑みを浮かべる。


「ええ、ええ。そうですとも。そのご高配、吾輩はひっじょーに! 満足しております! 何分、かのご婦人は吾輩との相性がひっじょーに悪い為! 実際問題何があるか分かりませぬからなぁ!」


「そうか、ならそれで問題ないね」


 舌禍の英雄と破滅の王の会話は、ともすれば支離滅裂で、話題が二転三転するとっちらかったものだ。

 まるで深酔いした哲学者同士が、己の研究結果を互いにぶつけ合うような……。

 示唆的で思わせぶりな。意図があるようで無いような、そんな奇妙な感覚を配下の者たちに抱かせる。

 だがその言葉のやりとりに意味が存在しない。等という愚かな考えを抱く者は誰もいない。

 ただ単純に遙か高見に存在するが故、双方による言葉の戦いを認識できないのだ。


「偉大なる神よ。吾輩はこれにて確信しましたぞ! 貴方がたとえどのような考えや策に至ろうとも、此度の戯れは吾輩のそれが一手先んじていたと!」


「なるほど。僕がすでに君の手の内だと? もしかしたらその手すら読み切って、すでに返す一手を用意しているかもしれないよ?」


「ふむん。しかしながら此度の策は吾輩の全身全霊もって作り上げた最強最高の物。すでにそれは成れりて、後は仕上がりをただゆるりと待つのみ。ここに至ってはたとえかのイラ=タクトさまであっても覆すことはできませぬ。事実として、そうなっている」


 先の言葉のやりとりで何故そのような結論に至ったのか?

 この場にアトゥが居ないという事が、それほどまで重要な意味を持っていたのか?

 もしくは何か別の意味がそこに隠されていたのか……。

 配下達の動揺とは裏腹に拓斗は表情を変えること無く、その真意はうかがえない。


「しかしながらご安心くださいませぇ偉大なる御方よっ! 吾輩の夢はっ! 貴方様にとってなんら不都合が存在しない!これは、完璧で完全な、我が神イラ=タクト様に向ける吾輩の贈り物なのです!」


「なるほどねぇ……。全てが自分の思い通りになると考えるのは実に君らしいけど……。今後の為にも少しお灸をすえた方が良さそうだね」


「ご随意に。ただぁ――そのお考えもいずれ変わりますこと、この場であらかじめ宣言させて頂きましょうぞ」


 剣呑な空気が流れた。

 限界まで張り詰めた空気が辺りを支配し、いざとなったら真っ先にヴィットーリオに刃を突きつけんとギアやモルタールが静かに構える。


 先の言葉は明らかな背信の意図が含まれていた。

 王の望みに否を突きつけ、自らの願望を押しつける。それがマイノグーラに住まう者たちにとってどのような意味を持つか、この国で知らぬ者は居ない。

 ましてや英雄だ。その言葉の重みは誰よりも理解しているだろう。

 今ここで、その罰が直々に拓斗より下る。

 死を賜るという最大級の不名誉をもってして。

 だが……。


「ワハハハッハハ! ヒィヒィッ!」

「ふふっ、あははっ!」


 両者の間に生まれたのは、まるでいたずらが成功した幼児が見せるかのような無邪気な笑いだった。

 ダークエルフたちが、そしてイラ教の代理教祖であるヨナヨナが、張り詰めた空気が霧散したことに安堵し息を大きく吐く。

 両者は、特に王はこのやりとりを心から楽しんでいる。

 その事実を知るだけで命が助かったかのような感覚に陥り、胃の痛くなるようなこの会合が傍目にはともかく許容の範囲内で進行していると理解する。


「まぁいずれ、決着はつくさ。君への罰もその時にするとしよう。こういうのは、タイミングが大事だ」


「その時は我が国の――そしてマイノグーラにとって永劫忘れることの出来ぬ、記念すべきとなりましょう! 今からその日が楽しみ! 祝祭の日を! 盛大な祝祭をご覧に入れてみせましょうぞぉ!」


「うーん、確かに。楽しみだね」


 和気藹々とした空気は、先ほどまでの剣呑な空気を一切感じさせない気軽なものだ。

 英雄については未だ計り知れぬ事が多い。

 特に王と英雄との関係性については配下の者達はほとんど知らないと言ってもよいだろう。

 彼らの知らぬ関係性が、彼らのまだ見ぬ信頼が、この主従には存在するのだ。

 そう確信させられるやりとりであった。


「とりあえず手段はどうあれ、君が僕の事を第一に考えてくれていることはよく理解した。ひとまずこの話題は終わりだ。いやぁ、久しぶりに楽しい時間を過ごせた。こういう頭を使う会話ってなんだか新鮮だなぁ。王様って感じがする」


「はっはっは! なぁ~にを仰いますか。そのお言葉、その威風、まさしく悪の王! この世の全てを滅ぼす破滅の化身! これからもっともっと悪いことしましょうぞ! 吾輩はそのお手伝いを、ん喜んでする所存でぇっす!」


「うん、頼もしいなぁ。本当に頼もしい」


 破滅の王と舌禍の英雄。

 この奇妙で底の知れぬ主従の対決は、ひとまずその決着が持ち越されることとなる。

 遙か高みに存在する知のぶつかりが、どのような結末をもたらすかは未だその片鱗すら見せていない。

 だがどちらにせよ……それはマイノグーラという国家と、イラ=タクトというプレイヤーに取って不利益となることは無いのだろう。

 破滅の王の威風は計り知れず。その事を十分に理解させられる舌戦であった。

 そして、残りやるべきことは一つとなる。

 彼らにとって一切の疑問を差し込むことなく決定されていること。すなわち……。


「――よし、じゃあ世界征服に向けて、早速僕らのターンを始めようか。何が欲しいヴィットーリオ? 望む物を、全て用意しよう」


 この世界に住まう数多の敵対勢力。その全てをねじ伏せる為の一手である。

 拓斗は大きく手を広げながら宣言する。あらゆる物を準備する事を。

 それはすなわち、『Eternal Nations』世界ランク1のプレイヤーと、『Eternal Nations』史上最低最悪の英雄がともに力を合わせ行動することを意味している。

 破滅の王と、舌禍の英雄が、その力の全てを思う存分に振るうのだ。


「んではぁ。お言葉に甘えてぇぇ……」


 主による全幅の信頼ともとれる言葉にヴィットーリオの口角が上がる。

 配下のダークエルフ達、そして代理教祖ヨナヨナもまた、この主従が共に同じ目的に向かったとき世界にもたらす影響を考え思わず息を呑む。

 次なる一手は果たして何か? 闇の底から悪意がその鎌首をもたげて獲物を探しだす。

 そして……。


「そこな二人のちびっ娘――エルフール姉妹をお借りしたぁい!」


 その一手は思いもよらぬ方向へと飛び火した。


「「うげっ!!」」


 年頃の少女にしてはやけに品の無い声が二つ、謁見の間の隅より漏れ聞こえる。

 ヴィットーリオに罰が下されないと知り、もはや興味は失せたとばかりに壁の染みになってぼんやりと事の成り行きを見守っていた姉妹の、仲良く発せられた驚愕の声だ。

 何故自分たちがという思いが少々。何故この最悪の人物と行動を共にせねばならぬと言う明確な嫌悪が山盛りだ。

 その傍目から見ても不機嫌で納得がいきませんとばかりの態度と表情に、ヴィットーリオの提案とこの流れをある程度予測していた拓斗も思わず苦笑いだ。


「あー、やっぱり。南方州に手を出すつもりか……」


「今一番ホットな地域ですからな。それに我が愛しのまいのぐぅぅぅぅらを取り巻く状況。歴史の流れに反して出来事が凝縮され過ぎておりますゆえ、勢力拡大は急務! 神もその予定で仕込みを完了させていたのでは?」


 さも当然のように自らの作戦を正確に見抜いてくるその冴えに拓斗も思わず「流石だねぇ」と声を漏らす。

 だが今はその冴え渡りが頼もしい。阿吽の呼吸と表現するには少々気持ちが乗らないが、それとしても作戦の説明が不要で打てば響く関係は好ましい。

 ともあれ詳細を詰めなくてはならない。たとえそれが突然の不幸に見舞われた姉妹がどんどんその機嫌を急降下させている最中だとしても……だ。


「エルフール姉妹については同行を許可しよう。ちなみに、現在南方州には聖女が一人いると情報を得ている。対処は可能かい?」


「もぉちろんでございますとも! 聖女って良きにございますなぁ! 信仰に厚き人々の希望。心優しき慈愛の徒! 吾輩そういうキラキラしたものが大好きなのでございますっ! もし互いに相まみえたとしても、きっと仲良く手を取り合えるでしょう! 吾輩は! 夢とか愛とか希望とか! そういうのが大好きなので!」


「……あー、わかったわかった。まぁ、本旨は忘れていないようだから別にいいか。好き放題やってもいいけど、彼女達には傷一つ付けないように」


 チラリとエルフール姉妹に視線を向ける。

 二人とも頬をぷくーっと膨らませ、両手でバッテンを作りながら断固拒否の姿勢を見せている。

 残念ながら彼女たちこそ次なる作戦の要だ。そのバッテンを受け入れる訳にはいかない。

 加えて心苦しいことに……その作戦の中においても彼女たちにいろいろと苦労をかけることになる。


 どうやって説得したものか、今から頭が痛い。

 先ほどまでヴィットーリオとの知の争いを楽しんでいた熱も途端に冷えてくる。

 怒れる女の子は怖いのだ……。

 破滅の王は暗澹たる気分になった。


「おんや~ちびっ娘を見つめる神の視線がお優しっ! ん~む! お気に入りなのでございますなぁ。吾輩嫉妬! あっ、ちなみに吾輩の安全は?」


「別に死んでもいいよ」


「んんんんっ!! 素晴らしいっ! ん喜んで!」


 なお、双子の少女への心配とは裏腹にヴィットーリオへの対応は辛いにも程があった。

 もっとも、その言葉すら今は彼を喜ばす極上のスパイスにしかならない。

 拓斗は相変わらずガチガチに固まっているヨナヨナにチラリと視線を向けながら、すでに把握しているいくつかの注意事項を再確認の意味も含めてヴィットーリオへ伝える。


「策に使う人員選出も君に任せよう。《イラ教》の教徒以外でも必要なら自由に連れて行って構わない。――ちなみに、エル=ナー精霊契約連合を支配する勢力の動きが不透明だ。理解していると思うけど、他勢力の能力は時として僕らの予想を遙かに超える力を持っている。警戒を怠らずにね。僕らの夢に、敵は多い」


「舌禍の英雄の名にかけて――」


 深々と礼をし、珍しく真面目な態度でヴィットーリオが命令を拝受する。

 やがて閉会の雰囲気を察したのか、各々が居住まいを正し拓斗の宣言を待つ。

 拓斗も同様に会合の終わりと早速エルフール姉妹への説得を行おうとしたが、ふと何か思い至った様子でヴィットーリオに言葉を重ねる。


「んー、そうだね。じゃあ最後に一つだけ質問をしよう」


 下げられた頭が上がり、ヴィットーリオの視線が拓斗に向く。

 まっすぐ向けられたその瞳に向け、拓斗は自らの手を胸に当てながら尋ねる。


「――君は、この僕を信頼し、忠誠を捧げているかな?」


 ヴィットーリオの眉がピクリと揺れた。

 彼の理想とするイラ=タクトが、そのような惰弱な質問をするか? という疑念だ。

 言葉以上に意味がある気がした。いや、間違いなくあるだろう。

 だがこの場でそれを否定することは叶わぬ。けむに巻くことも否だ。

 何らかの罠だったとしても主への忠誠を言葉繰りでごまかす事は不遜にも程があるし、何よりヴィットーリオ自身、自らの抱く崇敬の念を疑われるのは我慢できなかった。

 だからこそ答えは一つである。


「むぉっちろん! 我が信仰はただ目の前にいる御方のみの為に! このヴィットーリオ! それだけは決して違いませぬ! 貴方さまが我が理想の御方である限り、このヴィットーリオもまた貴方さまの理想の走狗と成り果てましょうぞ!」


 だからこそ、ヴィットーリオは己の本心を包み隠さず目の前の相手に向かって宣言する。

 腹に大量の腐念を抱えようと、その忠誠には偽り無しと。


「はははっ、むずかゆいな。でも良かった。そう言ってくれて本当に嬉しいよ」


 ニコニコと、とても嬉しそうに拓斗が笑顔を漏らす。

 その笑顔があまりにもまぶしくて、ヴィットーリオは心のどこかで自分が持つ邪悪なる叡智の絶対性に対して不安という名の綻びを抱いてしまう。

 今のやりとりに、何かしらの意味があった。それもヴィットーリオにとって致命的な。

 だが彼が言いようのしれぬ危機感とは裏腹に、機嫌を良くしたであろう拓斗の語りは続く。


「エルフール姉妹については安心して。僕の方から作戦の重要性はちゃんと伝えておくから」


 拓斗が壁の近くにいるエルフール姉妹へと視線を向ける。

 明らかに不満そうで今から彼女達の説得に頭を悩ませる拓斗だったが、戦略的にもここは乗る以外の選択肢がない。

 拓斗に匹敵する頭脳を持って否定できない最適解を提示し続けるヴィットーリオの優秀さが若干恨めしかった。


「以上……かな。ともかく、また君と一緒に過ごせて嬉しいよヴィットーリオ」


「吾輩も、まぁた偉大なる御方と過ごせて、感無量でございます! まさに、奇跡! これこそが幸福! ん~んっ! 吾輩がんばっちゃう!」


「とはいえ、やりすぎないようにね。期待しているよ――もちろんヨナヨナもね。今日は彼ばっかりだったけど、落ち着いたら時間を作って君とも話すとしよう」


「はっはっは! ヨナヨナくんってば喜びのあまり立ったまま失神しておりますぞぉ! ではぁ吾輩いろいろやることが出来ましたのでぇ、これにて一旦失礼いたしますぅ!」


 再度仰々しい礼を行い、舌禍の英雄は踵を返す。

 数歩歩いたところで白目を向いて気絶しているヨナヨナを荷物の様にひょいと小脇に抱え、そのまま退出していく。

 その背中に声がかかる。


「上手くいくといいね、ヴィットーリオ」


 心底嬉しそうな、そしてどこか本心から応援するような、そんな声だ。

 その言葉を向けられたヴィットーリオがどのような感情を抱いたのかは誰にも分からない。

 ただ彼にしては珍しく、その表情にはいつものような軽薄さは存在していなかった。


「あ、あの……というわけでヴィットーリオについていって南方州攻略の作戦をやって欲しいんだ……。その、これは凄く重要な作戦でね。今からどう大切かを二人にお話ししたいんだけど、聞いてくれるかな?」


「「やだーーーーっ!!」」


 ヴィットーリオの背後からエルフール姉妹の絶叫が聞こえる。

 考えを巡らせれば巡らせるほど、それすらもまたイラ=タクトの深遠なる叡智によってなされる策謀の一つではないかと感じさせられる。


 イラ=タクトは、『Eternal Nations』において《幸福なる舌禍ヴィットーリオ》をコントロール出来る唯一のプレイヤーである。


 忘れたことは決して無かったが、認識が酷く甘かった可能性はある。

 彼が目指す夢のために、今一度引き締めが必要だ。

 他ならぬ舌禍の英雄は、能面の様な表情を浮かべながらそう考えるのであった。

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