友達とはじめてのオール(徹夜)

月影 紡

第1話

 「冗談抜きでやばいかも……」


 今朝起きて最初に発した言葉だった。何がやばいのかといえば、すべてがやばい。全身の筋肉痛に加え財布の中身はほとんど空っぽ。唯一幸いだったことは、今日、何の予定もないことだけだ。うん、ほんとによかった。どうしてこんな状況になったのか、話していこう。


 事の始まりは2日前、朝6時に起き大学に向かう準備をして大学へと向かった。眠たい目をこすりながら講義を受けた。次第に目が覚めていき、普段のテンションにまで戻った。そのテンションのまますべての講義を終え、友達と約束していたようにバッティングセンターに向かう。けれど、雨のせいでそれは不可能になった。行こうと思っていたバッティングセンターが屋外だったためだ。どうしようかと思っていると友達からある提案をされた。


「家の近くにバッティングセンターがあるけど行くか?近くって言っても30分くらいかかるけど……」


 その提案にもちろん乗る。友達と駅まで行き切符を買い電車を待つ。激しさを増している雨をみながら友達が悩みだす。この雨の中30分近く歩くのはきついと思ったのだろう。まぁ、正直にいうと俺も無理だろうなとは思っていた。このまま帰るのもあれだな。なんて考えていると再び友達から提案があった。


「カラオケ行かへん?」


 その提案に乗りカラオケ店へと向かうために、1駅でおりた。歩いてカラオケ店に行く途中、友達といろいろな話をした。カラオケ店につく前に親に電話しておこうと思い電話をかける。電話を掛けながら友達と3時間くらいでいいか。なんていう話をしていたが、結局ロングフリータイムにすることにした。親に電話がつながり家に帰らないことを伝えた。怒られるかもしれないと思っていたが、ある条件付きで許された。それは、「アルコールを飲まないこと・朝に連絡してくること」という条件だった。その条件を飲み、カラオケ店に入った。この瞬間、今朝の状態になることが決定した。


 簡単に言えば、オールすることが決まった瞬間だった。友達が曲を入れて、カラオケが始まる。友達の歌を聞きながら俺も曲を入れる。2,3曲歌ったあたりで俺ののどは限界を迎える。早すぎる限界だが、いつもそんな感じだ。きっとのどがあまり開いていない状態で歌っているからだろう。そう思った俺は、温かい飲み物を飲むことにした。暖かいのも物の選択肢は3つだった。「コーヒー・紅茶・ココア」この3つの中から俺はココアを選んだ。コーヒーでもよかったのだが、ブラックでは飲めないため砂糖とミルクを入れなければならない。その行為が面倒だったから、ココアにした。部屋に戻りココアを飲むと、のどが温まったのかのどの調子が戻った。そのまま歌い続け、朝の5時になり店を後にした。結局カラオケ店にいるときに俺が飲んだのは緑茶6杯・ココア3杯・コーヒー5杯だった。このまま帰ろうとも思ったが講、義があるため12時くらいまで時間をつぶす必要があった。


 何をして時間をつぶそうかと考えていると、友達が「キャッチボールしよう」と言ってきたのでそれに乗る。友達の家の近くまで歩き俺は公園で友達がグローブを持ってくるのを待った。その待ち時間の間に少し寝ようかとも思ったが、今寝ると起きない気がしたのでおきることにした。とりあえずSNSを開き寝ないようにした。そうこうしているうちに、友達が戻ってきた。別の公園まで移動しキャッチボールを始めた。はじめの方は二人とも反応が遅くちゃんとしたキャッチボールにならなかったが、次第にできるようになってきた。1,2時間ほどキャッチボールをして、バッティングセンターに移動した。


 100キロに設定しバッターボックスにたつ。1回目は全然当たらなかったが、2回目は5球を除いて当たった。友達のほうも俺と同じような感じだった。バッティングセンターは30分ほど遊んだだけで出た。バッティングセンターを出て、駅のほうまで歩いた。途中ラーメン屋によりラーメンを食べ、友達と別れた。俺はそのまま大学に行き講義を受けた。うとうとしながらもきちんと講義を受け、家に帰った。家に帰り靴下を脱ぐとこの世のものとは思えないほど臭かった。シャワーを浴びて髪を乾かし、約1日ぶりに眠りについた。目を覚ましたのは日付が変わった0時だった。ご飯を食べ、歯を磨き再び眠った。そして、冒頭に戻る。


 今言えることはただ一つ、「オール(徹夜)はほどほどにしよう」ということだけだ。皆様も徹夜にはお気をつけてくださいね。

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友達とはじめてのオール(徹夜) 月影 紡 @tukikagetumugu

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