第15話

転校生……『三島優里』

彼女を見たときの衝撃は忘れない。

それほど真紀に似ていた。

もし、三島に殺したことの罪を償えと言われたら本気で三島に命の手綱を握らせてもいいとさえ思えた。


彼女はクラスに溶け込むのも早かった。

転校してきてから2週間もしたころには、前からの友人のように会話していた。

明るくて、社交的で、でもサッパリした感じで、嫌われるような要素が見当たらないのだから、当たり前と言えば当たり前か。


「じゃあ決まりね、三島さん」

『和也君は誘わないの??』

「……あぁ、アイツは誘ってもこないから」


みんなで出掛ける相談をしていたみたいだが、聞こえてきたのはそんな話で。

気にも止めず窓の外、流れる雲を見ていた。


『和也君も、行こうよ?』


不意を突かれた呼び掛けに振り向くと、そこには三島さんがいた。


「……俺は」

『そんなこと言わずに!』

「……わかった、行くよ」

『やったぁ、じゃあとで詳しく教えるね』


ある意味では強引だった。

不思議とそれは嫌ではなかった。

真紀に似た顔で俺の中に入ってくることが怖かった。


「珍しいじゃん、和也」


俺の過去を知る数少ない友人に、言われて三島に罪悪感を覚える。それをそのままに話すと友人は…なぜか喜んでいた。


……ねぇ、真紀。

真紀は今の俺をどんな風に思うのかな?




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