第12話
目を開くと、知らない天井だった。
……父と母が泣いていた。そのそばで真紀の両親が父と母に声をかけていた。
心配をかけた。それは間違いない。
迷惑をかけた。それも間違いない。
ただ……
──死ねなかった。
それが最初の感想だった。
真紀を殺したくせに、ボクは生きている。
頭の中はそればかりで、何を両親から言われたか覚えていない。
冬休みが終わる前にもう一度うちに来て真紀との別れ、そして送り出してやって欲しいと言われたのは覚えている。
殺したボクが送り出してやるなんて滑稽な話で、ボクは断ろうとした。
なのに…
『それを真紀も望んでいるはずだから』
そんなことを真紀のお母さんが言うもんだから、ボクは首を縦に振っていた。
……ねぇ、真紀。
こんなボクをなぜ好きになってくれたの?
ボクは、自分が大嫌いだよ。
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