第3話

『なんでって迎えに来たからだよ?』

「…だよな」


再会の挨拶は予想外にカッコ悪かった。これは出だしが悪すぎる。

…決意が揺らぐじゃないか。


告白する決意が。


『聞いてる和也?』

「ごめん、なんだっけ?」

『もう!変わらないね和也は』


真紀は変わった。

背が伸びたから目線があまり変わらない。

髪も長くなっていた。

可愛くなったじゃないか。

…なんて言えたらいいけど恥ずかしくて言えそうにない。頑張れよボク(笑)


『じゃあ行こう?お母さんも待ってるよ』

「だな、行こう」


滞在先としてお世話になるレベルで、親同士が仲良しだ。真紀の両親には感謝している。家族みたいなものだからというのは真紀の両親の言葉だが果たしていいのか悪いのか(笑)


後ろ姿を見ながら、揺らいだ決意を新たにする。…告白しよう。


セミが鳴いている。

セミよ応援してくれてるならありがとう。

茶化してるなら少しお静かにお願いします。


長い夏が始まる。









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