第3話
『なんでって迎えに来たからだよ?』
「…だよな」
再会の挨拶は予想外にカッコ悪かった。これは出だしが悪すぎる。
…決意が揺らぐじゃないか。
告白する決意が。
『聞いてる和也?』
「ごめん、なんだっけ?」
『もう!変わらないね和也は』
真紀は変わった。
背が伸びたから目線があまり変わらない。
髪も長くなっていた。
可愛くなったじゃないか。
…なんて言えたらいいけど恥ずかしくて言えそうにない。頑張れよボク(笑)
『じゃあ行こう?お母さんも待ってるよ』
「だな、行こう」
滞在先としてお世話になるレベルで、親同士が仲良しだ。真紀の両親には感謝している。家族みたいなものだからというのは真紀の両親の言葉だが果たしていいのか悪いのか(笑)
後ろ姿を見ながら、揺らいだ決意を新たにする。…告白しよう。
セミが鳴いている。
セミよ応援してくれてるならありがとう。
茶化してるなら少しお静かにお願いします。
長い夏が始まる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます