第4話
楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
誰だ長い夏が始まるなんて言ったのは。
……ボクだな、すいませんでした。
色んなところに出掛けた。会えない時間を取り戻すかのように。
映画館、水族館、プラネタリウム。雨が降りだしたから色違いの傘を買った時は少し恥ずかしかったのを覚えてる。
ふと、思う。
もうデートじゃないか。付き合ってるみたいじゃないか?…告白はしてないけどね!
実は焦っていた。夏休みが終わるということはまた会えなくなる。
……そして
家に帰る時が来てしまった。
『次は冬休み?』
「多分ね。次は雪だらけだろうな」
『そうだよ?そっちじゃ降らない?』
「降らないんじゃないかなぁ、降っても積もらない」
電車が発車するまでの取りとめもない会話でそれは不意に起こった
『わたし和也が好きだよ』
「……え?」
ちょっと待て
そんな不意討ちありなのか?
「真紀、それって………」
プシュー………と電車のドアが閉まる
真紀はいたずらが成功した子供のようにドアの向こうで手を振っていた。
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