麒麟屋の読んだ作品の本棚

麒麟屋絢丸

「エヴァン・ブライアンの終末研究」のある風景

これはこのサイトで、私が最初に読んだ小説なので、最初に書いておきたい。


大いなる大英帝国。ビクトリア王朝時代をベースにした(多分)架空世界の話である。

設定がしっかりしていて、ブレと隙が無い。


文章もクリアで明確。ツイードと刻みタバコの匂いがする。

主人公が通り過ぎる街角の向こうを、ラファエル前派の画家たちが、追われて走るのが感じられる。


色なら琥珀色。


メフィストフェレスのような死神が出てきて、退廃的ではあるが、ありがたいことに鬱要素は感じられない。

この話に太陽の光が射し続けるのは、著者の精神性のなせる技かもしれない。



ただし、現実世界の話では無いので、ぼーっとして読むと設定を忘れて読み返す羽目になる。


秋の曇りの休日に、紅茶か小ぶりの林檎を片手に一気に読みたい小説だ。

お菓子を用意するなら、フルーツのタルトレット。

ショートブレッドは違う感じがする。


部屋に暖炉があれば尚良し。



現在連載中。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054887799369

続きが待たれる。

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