欲望Ⅰ


 忠誠の蜜蜂は、あの祭壇の真上から、彼らのやり取りを眺めていた。

二人をめぐり合わせるのは、蜜蜂にとって、一つの賭けでもあった。


「革命の子供たちよ、どうか。僕にもう一度、愛を。」


 蜜蜂は呟く。捧げた祈りは夜風にかき消された。何かを乞うように固く折られた指先に、ひらひらと一枚の花弁が舞い落ちた。


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