第13話中世異世界転生・其の7
さっきのライオン頭の獣人に負けず劣らず巨大な石造りのゴーレムが襲いかかってくる。
「切り裂け。
インさんの今度の呪文で、竜巻がゴーレムを包み込む。その竜巻がおさまると、ゴーレムはみじん切りになってピクリともしなくなっていた。
それにしてもあざやかなものだ。こころなしか、インさんがおおいに張り切っているように見える。やはり、おしとやかなお嬢さまであるインさんと言えども、魔法で景気よくモンスターを蹴散らしていくのは気持ちいいのだろうか。
そんなことを考えている間も無く、今度は一つ目の巨人、サイクロップスの襲来だ。
「凍てつきなさい。
今回はサイクロップスを氷漬けにする呪文みたいだ。真っ白な吹雪がサイクロップスをおおい隠したと思ったら、かちんこちんに凍った氷のかたまりがそびえ立っている。もう外からは、サイクロップスの姿を確認することはできない。
インさんがドヤ顔をして得意げになっている。えっへんと胸を張っているが、そうもおおきなおっぱいを見せびらかせられると、俺も目のやり場に困る。
おっと、息つく暇もない。四匹目のモンスターは、
「潰れろ。
突然リビングアーマーが地面に倒れ込んだかと思うと、その鎧がバラバラになって動かなくなる。どうやら、強烈な重力で相手を押し潰す呪文みたいだ。
そんな激しい重力をものともしないのは、インさんの巨大なおっぱいである。とてつもない力で下に引っ張られているはずなのに、まるで質量なんかない様子でつんと上を向いたままである。まさしくおっぱいの神秘である。
次から次へとモンスターをやっつけていくインさんだ。そんな彼女をほれぼれしながら見つめていると、神殿の天井から巨大な羽を持った悪魔が、インさんに襲いかかろうとしているのに俺は気がついた。
まずい! インさんは気がついていないようだ。
「危ない、インさん!」
俺はそう叫ぶと、インさんに体当たりして、悪魔の攻撃をインさんが食らわないようにインさんをその場所からはじき飛ばす。
グサッ!
俺のお腹のあたりに、生暖かい感触がするのだった。その生暖かい暗色のする部分に目を向けると、悪魔の爪が俺のお腹をつらぬいている。
こういう時のセリフは決まっている。
「なんじゃこりゃあ!」
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