第20話 旅行計画

 次の日、ちとせと一緒に旅行の計画を綿密に打ち合わせしていた。


 初日から3日間は、ちとせが住んでいる北海道へと僕が渡り、友達に会いに行ったりする流れになり。

 日曜日からはちとせと共に、関東へと飛んで、ディスニーや花火大会、水族館を満喫することになった。


「ま、とりあえずはこんな感じでいいかな?一先ずちとせは、みみちゃんとの予定を決めてくれ」

『ん~おっけ~!』


 関東へ来たときに、ちとせの一番のネッ友親友ともいえる『みみちゃん』という女の子に会うことになっていた。僕との旅行ではあったが、ちとせの中では僕との旅行という感じではなく、『大好きな人たちに会いに行く旅行』みたいな感じで捉えているのだろう。


「もう、2週間切ってるんだな…意外にに早いな」

『そうだね!あぁ~ディスニー楽しみ~!!』


 ちとせが一番楽しみにしているのが、ディスニー通称ディスティーニーランドだ。日本では千葉県にしか存在していないそのテーマーパークは、誰しもが一度は訪れたいと願っている夢の国である。


 ちとせも修学旅行で一度行ったことはあるそうだが、なんにせよ楽しそうにいろんなアトラクションなどを検索している姿を見ると、こちらまで微笑ましく思えてくる。



『にとお兄ちゃんに会うの楽しみだなぁ~』

「うん、僕もちとせに会うの楽しみにしてるよ」

『にとお兄ちゃん・・・』

「ん?どうした?」

『楽しい旅行にしようね…』


 彼女がそう僕に呟いた。彼女がどうしてそのように言ったのか本当の真意は分からない。だが、僕は肯定的に受け止めて、ニコリとほほ笑みながら優しい声音で返事を返す。


「うん、そうだね…楽しい旅行にしよう!」

『うん…!』


 こうして、旅行の日程も決まり、ちとせと会う日が待ち遠しくて仕方がなくなっていた。そして、今彼氏がいないときに、どれだけちとせにこの旅行でアピールできるのかも勝負の分かれ目になるだろう。ちとせにとっては楽しい思い出だが、僕にとっては一世一代の大勝負に出るような気持ちで旅行当日を待ち遠しく思い、早くちとせに会って甘えさせてあげたい問う気持ちがより一層深まるばかりなのであった。

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