ーちょっとだけ怖いかもしれない話

よく見る夢〜恐怖の逃亡劇

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2009年の別ブログより転載。

こういうのを読むと眠れなくなるという方も万一いるかもしれないので(笑)、こちらのエッセイも章分けすることにしました。ちなみに、ナンバーは投稿順です。

怖いのは完全シャットアウトしたい方は、この章の投稿はスルーしていただければと思います。(そんなに大した話でもないですが)

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私には、とても恐いものがあるーー。


日常生活の、ふとした隙間に、異次元のワナのような出来事が潜んでいたりします。

「ブラザーサン・シスタームーン」という映画の主人公は、教会でイエス・キリストの目が動くのを見て、人生を信仰に捧げることになったわけなのだけど、このわたくしの場合は、幼いころに、デパートでマネキンと目が合ってしまったために、以来、人生をマネキンに脅かされることになったわけなのでした。(雲泥の差だ)。


ある日、私は母に連れられて、デパートに行きました。

母の用事が済むまで、店内を一人でチョロチョロしてたのだけど、その時なぜか、マネキンの一人一人と握手をして回るということを思いつきました。

そして、あるマネキンのところで握手をした時に、ふとマネキンの顔を見上げました。すると向こうも、私を見たのです!!

一瞬、射すくめられたようになった幼い私は、ギャーでもなくワーでもなく、サッと手を離すと、後ずさるようにしながらその場から逃げました。途中からは前を向いて走ったけど、追いかけて来てる気がして、振り向きませんでした。今思えば、手を離してもらえてよかった。あそこで、マネキンが私の手を握り返してきていたら…と思うと、ゾッとします。。。


その晩だったか、何日か経っていたのか。

私はデパートでマネキンに追いかけられている夢を見ました。絶対に絶対に、逃げおおせない。隠れても隠れても、必ず見つかってしまい、その逃亡劇は目が覚めるまで延々と終わらない。デパートの出口もマネキンに固められていて、出られない。

そして、そのような夢を、その後も頻繁に見るようになったのです。

頻度は少なくなりつつも、大人になってからもしばらくは見ていたし、今でもまったく見ないわけではない。忘れたころに見ることがあります。


ある時は、エスカレーター一段ずつにマネキンが一体ずつ、何食わぬ顔で人形然として並んでいて、私がその横をおそるおそる通り抜けようとする…すると、その中の一体が、突然ギロッと私を見て、動き出して襲って来る…。


またある時は、スカートが何枚も吊るしてある背の低いハンガーラックの下に隠れる私。向こうからマネキンが、ハンガーラックを点検しながら徐々に迫って来る。通り過ぎてほしい…その瞬間、私の隠れてるとこがバサッと暴かれる。ウギャ~!!


またある時は、試着室に隠れる。ある時は、ひたすら裏階段などを使って逃げ続ける。

何度乗っても、同じ階に戻って来てしまうエスカレーター、どっちの味方なのかわからないオジさん店員 etc. 

あらゆる売り場。あらゆる設備。あらゆる種類の建物。いろんな状況の中で、あらゆる手を尽くして、とにかくひたすら捕まらないように逃げる。


敵もサルもの。店員やエレベーターガールに化けていたりすることもあった。恐るべし。

そして、何より恐いのは、マネキンは絶対に喋らないのです。無言で、私に恐怖を与え続ける。執拗に。


目が覚めると、私は精神的に汗グッチョリのヘロヘロ状態で、振り払い切れないリアルな恐怖におののきつつも、それが夢だったことを心から喜んだものです。

結局、数えきれないほどこの夢を見たけど、メインは追いかけられたり、待ち伏せされたり、探し当てられたりという恐怖で、ついぞ捕まったことはなく、捕まったらいったいどうなるのかは、わからない。かといって、デパートの外に出られたことも、一度もない。


っていうか、こんな目に遭う意味もよくわからないのだが。。。


この夢のせいで、大人になってからも、人のいないところでマネキンと自分だけというシチュエーションは絶対に避けたいし、そうなったら足がすくむ思いがします。ただ、最近は、マネキン自体が店にほとんどいなくなったので、だいぶ助かってるけど。。。


ほかにも、遊園地なんかのノーテンキな感じの人形は、苦手です。背中のあたりがサワサワして、落ち着かない。気にしないゾと言い聞かせていれば何とか楽しめたりもするけど、一瞬でも、夜にその人形たちと自分だけがいるというシチュエーションを想像すると、もうダメ。妄想力を封印しておかないと。


でも、あの人たち、夜は絶対、喋ったり歩き回ったりしてるよね!?

という妄想が、どうしても拭い切れない。。。


※そのくせ、逆に、中に人が入ってるとわかっている着ぐるみは大好きで、私だけとずっといっしょに遊んでもらいたいと思うくらいだ。

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