支配者

 圭と玲香は小屋に入った。

「ほらよ」

 圭は小屋にあった毛布を玲香に渡した。

「ありがと」

 玲香は毛布を受け取り、体を隠した。

「ねえ、なんでこんな姿なの? あんたはずいぶんいい服を着ているじゃない?」

 確かに圭が着ているのは古風な魔法使いのような服だった。

「わからないなあ」

 圭はそう言った。

 小屋の中で玲香はパンを見つけた。

「はい」

 半分に割ったパンを圭はもらう。

 二人でパンを食べて、圭は水を飲んだ。蛇口をひねれば水は出てきた。

 深夜、雲の切れ間から月が顔を出した時、目の前に閃光が広がった。

「何?」と玲香は言った。


「わっはっはっは」

 閃光から現れたのは軍服を着た男だ。

「先ほどのモンスター討伐おめでとう」

 軍服の男はそう言った。

「はい」と圭が言った。

「魔法使いと奴隷として君らを召喚したのは私だ。この地域はモンスターであふれている。この一帯のモンスターを討伐するために君らを召喚した。陰から君らを見てきたが先ほどの呪文見事だった」

「ありがとうございます」

「あの、私はなんで召喚されたんですか?」

「魔法使いのサポートのためだ」と軍服を着た男は言った。

「まぁ頑張ってくれ」

「あの呪文は?」

「練習してくれ」

 軍服の男は消えた。

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