出会い
魔法使いになった圭は生まれた時から両親に愛されて育ってきた。彼の祖母は彼を見てきっとこの子は将来大物になる、なんて浮かれたことを言った。母親から後で聞いた。
圭は小学校、中学校と公立に通い、特に目立たない生徒だった。勉強はできたので、県内でトップの高校に入学した。
高校生になった春、新しい生活を期待して校門をくぐった。入学式が終わり、次の日から授業が始まる。
圭は家に帰っても浮かれていた。
「お母さん。新しい学校綺麗だったよ。部活は何しようかな?」
「友達はできた?」
「うん。今日は同じ中学だったやつとつるんでた」
「よかったわね」
次の日、朝起きて、顔を洗った。母親が作ってくれた朝食を食べた。
「今日から学校ね」
母親は腕をまくりそう言う。
「うん」
圭はそう言って味噌汁を飲む。
「じゃあいってくるね」
「いってらっしゃい」
圭は駅まで道を歩く。電車に乗り、学校の最寄り駅に着くと、髪を茶髪にした女子とすれ違った。
ホームルームの時間、教室には派手な髪のすれ違った女子がいた。彼女は前の方の席に座っていた。休み時間、彼女の周りには人が多かった。
「あいつなんていう人?」僕は後ろの席の出会ったばかりの友達に声をかけた。
「橋本玲香っていうらしい。ずいぶん美人だよな」
「ね」
そんな感じで一日が終わった。
次の日もその次の日も大した事件は起こらなかった。
高校生活にも慣れてきたとき、圭は玲香に話しかけられた。
「ノートみせてよ」
「はい。どうぞ」
圭はノートを渡した。
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