この小説、主人公の葛藤が長い反面、戦闘シーンは爽快感が伴う。主人公の女の子は戦いが嫌いなので、基本、戦闘を回避しがち。でも、潜在能力が発動すると、ヤバイくらい相手をボコりまくる。中でも、とある街で敵の軍団を全員放射線で殺すって発想は無かったわ。所々で科学解説やら言い回しに理屈があるのって、何だか現実的・・・もしかして、これって異世界物を被ったSF?
最初は主人公の弱さをところどころに見せつけ、頼りなさげに感じますが、覚醒してからそれが逆に強さを引き立たせます。主人公以外のキャラもそれぞれ戦闘の見せ場があり、興味を引く感じが出ていて読んでいて成長が気になります。表現は粗削りな部分が多いですが、一話の文字数が少ないため気軽に読めるところもプラスです。
異世界に召喚された少女がスキルで相手を圧倒する、かと思ったらそうでもなかったりします。主人公はポテンシャルを秘めた感じで表現されているのですが、子どものためなのか精神的な戸惑いや弱さ故にそこまで力を発揮出来ていません。ですが、ところどころで見せる少女の能力が先を期待させます。勇者の少女が持つスキルが謎のままというところからもじっくり先を待って楽しむ作品かもしれません