第39話:甘えん坊な妹と甘やかし過ぎる姉
カイゲンを倒してようやく静かになったところで、セリーナはリーアの魂をリーアの身体に戻そうとする。が、その矢先……
「うっ……!?なんて強烈ないい香り……!!?」
先程まではカイゲンに対する怒りで全然意識していなかったが、ようやくそれが済んだ為、改めてリーアの魂から漂ってくる香りに、思わずむしゃぶりつように嗅ぎたい衝動に襲われるセリーナ。こんなに頑張ったんだからひと嗅ぎぐらいはという気持ちが湧いてきたが……
「ダメよ!?私!しっかりしなさい!!お姉様の魂が間に合わずにお姉様が消えたら余計に後悔するでしょうが!!?」
そう言って自分を律する為に柱でおでこを数回打ちつけ、頰を真っ赤になるまで何回も叩いてようやく落ち着いたセリーナは、リーアの魂をリーアの肉体に返す。
大丈夫だとは思っていても、若干不安そうな顔でリーアを見つめるセリーナ。すると、リーアがゆっくりとだが目を開いた。そして、セリーナを認識すると……
「セリーナ……?」
「ッ!!?お姉様ぁ!!?良かった!?本当に良かったぁ〜!!?お姉様ぁ〜!!?」
セリーナはリーアの匂いを嗅ぐ事すら忘れ、リーアに飛び込むように抱きつく。そのセリーナの瞳には涙が浮かんでいた。リーアはそんなセリーナに微笑みを浮かべて優しく頭を撫でる。
「うふふ……セリーナったら、本当に甘えん坊さんね〜♡」
「はい!そうですよ!私はお姉様がいなきゃ生きていけないような甘えん坊の妹なんです!!だから!もう2度と私を置いて行かないでください!!お姉様!!」
「あらあら♡そんな嬉しい事言われたら、私永遠にセリーナと離れられないわね♡」
リーアはそう言って、セリーナが泣き止むまで何度も何度も優しく頭を撫で続けた……
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