第28話:セリーナ対シグレ

すぐに動いたのはセリーナではなくシグレだった。スッと姿を消した。セリーナはそれに驚く。


「まさか!?匂いまで消すなんて!!?」


そう。シグレは自分の姿や気配だけでなく、匂いまで消したのだ。


「セリーナお嬢様の事はよく分かっていますから。自分がいい匂いがする綺麗なお姉さんとは思ってませんが、それでも念の為消させていただきました」


シグレは淡々とした声でそう言うと、セリーナに向かって色んな方向から魔力弾が飛んでくる。セリーナは必死になってそれをかわしながら走って移動する。


セリーナは必死に走って魔力弾が逃げながら、色々と木々を注意深く見つめ、そして……


「そこ……!!」


セリーナはある一本の木の前で跳躍し、その木に登っていたシグレ眼前に拳を……当てる寸前で止めた。


「私の勝ちよ。シグレ」


「……よく私がこの木の上にいるって分かりましたね。いつもの匂いですか?」


「いいえ。違うわ。貴方の性格から推測したのよ」


セリーナは、まず、自分に向かって正確にに魔力弾を放っているところから、自分の近くにいる事は確かだろうと思った。そして、自分の位置を把握しやすい木の上にいる事も予想出来た。

となれば、後は……彼女の動物好きから、今の時間だと鳥が木で眠るのを邪魔したくないと思ってる彼女の気持ちから、鳥の気配をしない木に当たりをつけたのである。


「ふぅ〜……参りました……完敗です。お嬢様」


「最初から勝つ気なんてあったのかしら?魔力弾もいる場所も、私がシグレをよく知っているからやりやすかったわよ」


「ふふふ……ご想像にお任せします」


こうして、2人の戦いは幕を閉じた……のだが……


ドオォォォ〜ーーーーーーーーーーンッ!!!


『ッ!!?』


突如鳴り響く轟音に2人は振り向くと、2人から少し離れた場所から煙が上がっていた。


「ッ!?あの方角は!?」


「私の屋敷が!!?」


キャンベル家の突然の襲撃に、2人は急いでキャンベル家へと戻って行った。

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