第25話:そして、その日は動き出す……

「ウィンドガル王国……ですか……?」


私は13歳。リーアお姉様が15歳になったある日の事、私はリーアお姉様に他に住む国があったらどこに住みたいか尋ねてみました。それは、いつかリーアお姉様と国を離れるのを念頭に入れて……そうしたら、リーアお姉様から返ってきた答えがウィンドガル王国でした。


「そう。特にウィンドガル王国にあるノイエル町が最近変わったスイーツを開発してるみたいなの。チョコレートケーキとか、チーズケーキとか、抹茶ケーキとかね」


「チョコレートにチーズに抹茶……ですか……」


その単語は、前世の私に馴染み深い単語ばかりだった。もしかして、そのノイエル町には私と同じ前世の記憶持ちがいるのかもしれないわね。


「それに……最近ノイエル町では、同性同士の結婚に、姉妹・兄弟でも結婚出来るようになってるって噂もあるしね……」


「お姉様……?何か言いましたか?」


「いいえ。何でもないわ」


コンコン!


私達姉妹が仲良く談笑していたら、扉を叩くノック音がして、私達はすぐにその主が誰かを察して入室するように言った。


「失礼します」


そう言って中に入ってきたのはシグレだった。そのシグレの手には紅茶を入れていると思われるポットとティーカップを乗せたお盆があった。


「夜は冷えますので暖かい紅茶をお持ちしました」


そう言ってティーカップを私達の前に置くシグレ。流石は万能メイド。ちょうど喉が乾いたと思っていたのよね〜!


「ありがとう。シグレ。いただくわね」


リーアお姉様と私はティーカップを持ち、紅茶を一口入れた。すると、私もリーアお姉様も急な眠気が襲って……


「申し訳ありません……お嬢様……」


最後にシグレの無表情だけど辛そうな表情とその声が、私の目と耳に入った……















私は、リーア・キャンベル侯爵令嬢を抱え、ひたすら走る。紅茶にはハンジョーの時以上の強力な睡眠薬を入れているとは言え油断は出来ない。あの方は必ず目を覚ましてくる。その予感があったので、私は道中に魔法の罠を張りながらひたすら走り抜ける。


「やっぱりね。思いたくなかったけれど……これまでの一連の事に、貴方が関わっていたのね……シグレ」


「なっ……!?セリーナ……お嬢様……!?」


もしかしたら……彼女は私を追ってくる……そう思っていた相手がいつのまにか私の目の前に立っていた……

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