第24話:動き出す大きな影

ここは、アストール聖王国の魔法省。魔法省は表向きは魔法の研究や調査、あるいは市民からの困り事を解決するなどの役目を担っているが、表があれば裏もある。この魔法省にも、裏の存在があった。それが、「魔法省暗部」である。表の役職では出来ない事を全て担うのが「魔法省暗部」だ。


そんな「魔法省暗部」の部屋に、2人の人物がいた。


「お前に新たな依頼がきた」


「依頼……ですか……?」


黒いフードとローブで姿形は分からないが、声から最初に言葉を発したのが男性で、次に発したのが女性のようだ。


「リーア・キャンベル侯爵令嬢を連れて来い」


「……何故でしょうか?」


女性は男性に疑問をぶつけるが、男性は……


「お前が疑問を口にするのは珍しいな……」


と、本当に不思議そうな口調で男性はそう言った。


「依頼で彼女を調査しましたが、確かに不思議な力を宿してる可能性は高いですが、暗部が動いてまでというのがいささか納得出来ません」


確かに、女性の言うことは最もだ。下手に暗部が動いて、暗部の存在が世間に明るみにされるのは、魔法省としては良しとしないはずだ。しかし……


「それが指令だ。暗部はその指示に従うのみ。お前が1番分かってるはずだ」


男性にそうハッキリと言われた女性は……


「分かりました。その任、承ります」


それだけ言って彼女はすぐに退室し……


「私は……どうすれば……お嬢様……」


彼女はポツリとそう呟いて、もう一つの自分の職場、キャンベル家の屋敷に向かって行った……

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