第19話:実力行使

「本当にやるのですか?」


若干呆れ顔でアルミナを見るマナカ。


「当然よ!パーティーに誘うより、こっちの方が手っ取り早いわよ!」


そう言って高笑いをあげるアルミナを見て、マナカは若干の不安感を覚えるも、結局このおバカな公爵令嬢に最後まで付き合うあたり、マナカはあまりに人が良すぎたのだった。



一方、アルミナに雇われた傭兵団は、キャンベル侯爵家の屋敷に潜入。あまりに簡単に潜入出来た事に、傭兵団のメンバーは、不審に思う者と、自分達もこれぐらいの芸当は出来るんだと高揚する者に別れていた。

しかし、高揚する者も最後まで気を抜かず、目的の人物の部屋までたどり着いた。


「はぁ〜……本当に噂通りのいい匂いのする令嬢だなぁ〜……」


「しかも……超美少女……なぁ……兄貴……」


「ダメだ。俺達はプロだ。余計な事は絶対にせずに目的を果たせ」


「はっ!はい!!」


傭兵団の兄貴分に言われ、改めて気を引き締めて目的の人物を攫おうとする傭兵団達。しかし……




「あなた達……私のお姉様にナニしようとしてくれてるのかしら?」


傭兵団の背後にいつのまにかとんでもない殺気を放っているセリーナがいた。そのとんでもない殺気を受け、傭兵団は全員怯えて動けなくなってしまう。


実は、セリーナも最近はやたらとリーアが狙われるので、何度も見張りをするようにしていたのだ。


こうなったら、傭兵団は全員はお終い……かと思われたが……


ボンッ!!!ブシュ〜ーーーーーーーー!!!!


「なっ!?何コレ!?煙幕!!?」


「えっ?こんなの誰が!?」


「分からんが!今の内だ!!」


傭兵団はリーアを抱えて逃走を始める。


「なっ!?こらぁ!?待ってぇ〜ーーーーーーーー!!?」


シュッ!!ヒュッ!!


「なっ!?今度は魔力弾!?一体どこから!!?」


まるでセリーナの行く手を邪魔するかのような煙幕と魔力弾のせいで、セリーナは傭兵団の所を完全に取り逃がす事になってしまった。セリーナは自分の邪魔した人物を捕らえようかとも思ったが、気配が分からず、仕方なし今はリーアの匂いを辿って行くことにした。

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