第14話:見破られる幻影

セリーナが投げた予告状、それが刺さったのは………一本の大木だった。すると、その大木の正体は木の柄の布で、それがズルズルと落ちていく。


「なっ!?バカな!!?私は完璧に気配を殺して木になっていたというのに!!?」


落ちた布から怪盗Fと未だに眠るリーアが姿を現した。怪盗Fは驚愕の表情でセリーナを見る。が、セリーナは不敵に笑い


「ふっ、私にお姉様の匂いが分からないとでも」


そう言うセリーナ。セリーナの犬並の嗅覚に驚く怪盗F。しかし……


(匂い……ならば!あの手だ!)


怪盗Fは再びイリュージョンを発動させ、更に自分の幻影を増やすと、ある物を投げた。それが地面についた途端に破裂すると、まるで煙のような物が立ち昇る。しかし、目くらまし用にしては煙が薄いように感じてセリーナは首を傾げる。


しかし、変化は確実に起きていた。セリーナ達の周りにいた動物達が次々と倒れ出したのだ。その強烈な刺激臭に耐えられずに……


実は、怪盗Fが投げた物はあらゆる臭い物を詰めこんだ刺激臭爆弾だった。それが爆発すれば、目眩しにならずとも、強力な刺激臭を発して、その匂いだけで倒れそうになるほどだ。


(フフフ……!風邪を引いて鼻が悪い人でもやられる強烈な匂いだ!鼻のいい君には効果覿面だろう!これで私の勝ちだな!)


ちなみに、怪盗Fは投げる寸前でマスクを装着している。リーアにもマスクと、刺激臭がリーアにつかないように結界の魔法を施してある。


彼の作戦は完璧だった。相手がただ鼻のいいだけの存在だったのなら……


「そこだあぁぁぁぁぁ〜ーーーーーーーー!!!!」


「なっ!?何ぃ〜!!?ぐぼはあぁ!!?」


セリーナは本物の怪盗Fの顔面に拳を叩きこみ、マスクと仮面を粉砕。粉砕されたせいで刺激臭が怪盗Fの鼻に入ってしまい、怪盗Fは殴られた衝撃+刺激臭で完全に落ちた。

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