第9話:怪盗F
この世のあらゆる至高の品を盗んできた怪盗フローレンスこと、通称怪盗F。彼が盗んできた至高の品々は多岐に渡る。
至高の金塊、至高の宝石、至高の屋敷、至高の服、至高の剣、至高の盾、至高の槍、至高の美女、至高の美男子に至るまで様々だ。
しかし、そんな彼にも盗めない至高の品があった。
何故なら、それは目には見えないが確かに存在する物。
彼はそれをいかに盗むか思案を重ねに重ねていたが、ある日、とある令嬢の噂を耳にし、ようやく彼はその至高の品を盗むに至る道を見出した。
「ふふふ……!ようやくだ……!次なる私のターゲットは……!」
彼はいつも予告状に使ってるカードを投げる。
投げたそのカードがたどり着いた先には…………
なんだかんだであっという間に私、10歳になりました!そして、リーアお姉様は12歳になり、更に美人度が増してきましたよ!しかも、最近ではリーアお姉様は12歳とは思えない程、胸がだいぶ育ってきているようで……だから、最近の私のお気に入りは……
「お姉様〜!!」
リーアお姉様に飛びつく勢いで抱きついて、そのままリーアお姉様のお胸に顔ダイブする事である。
「あぁん♡もう!セリーナったら本当に甘えん坊さんなんだから♡」
私がそんな風に抱きついてきても穏やかに笑って許してくれる天女のようなリーアお姉様!今日も素敵です!
「えへへぇ〜!だって、リーアお姉様に甘えたかったんだもん!」
と、私がそう言うと、お姉様は笑顔で私の頭を撫でて
「もう……今はいいけど、人前でやっては、はしたないって怒られてしまうかもしれないから気をつけるのよ」
一応、私に注意をしながらも、「よしよし……良い子良い子……」と言って私の頭を撫でてくれるリーアお姉様。
「は〜い!気をつけま〜す!」
私は元気よく返事をする。一応私だって人前でこんな風にリーアお姉様に甘えたりしませんよ。多分……恐らく……きっと……
まぁ!それより!聞いてくださいよ!綺麗なお姉さんの匂いが1番強く香る場所ってどこか分かりますか?それは……胸の谷間なんです!だから!最近の私のお気に入りは胸に顔ダイブなんです!もう!リーアお姉様のお胸の谷間から薫ってくる香りといったら!余裕でご飯3日抜きでも大丈夫ですよ!もうこれだけでお腹いっぱ……
「って!?あったアァァァ〜ーーーーーーーー!!?」
「セリーナ!?大丈夫!?」
人が気持ち良くリーアお姉様の胸の谷間の香りについて語っていたら、何かが頭に当たって思わず変な声を上げてしまった。ったく!何よ!?人が気持ち良くリーアお姉様の胸の谷間の香りについて語っていたのに!!
「これは……カード……?」
リーアお姉様は私の頭に当たったらしいと思われる物を拾い上げる。それは、確かに一枚のカードだった。
「えっと……今宵、リーア・キャンベル侯爵令嬢を盗みに参上します。怪盗F……」
「はい!!?何ですって!!?」
それは、最近世間を騒がせる怪盗の、リーアお姉様を盗むという予告状だった……
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