第1話:初めての魔力検査

「ふにゃ〜ん……!お姉様ぁ〜……!」


「うふふ……本当に子猫みたいね。セリーナ」


前回に引き続き、私はリーアお姉様の膝枕してもらい、リーアお姉様の匂いを堪能中です。この匂いを嗅ぎ続けられるなら、雌猫でも雌犬でも雌奴隷でも何でもなるわ!ガチで!


「お嬢様方。魔法省の方の準備が終わったので早く来てください」


そう言って無粋にも私達に声をかけてきたのは、私達姉妹の専属メイドを務めるシグレである。

シグレは常にポーカーフェイスで何事も完璧にこなしてしまういわゆるクール系の綺麗なお姉さんだけれど、もう私は理想とする匂いのお姉様に出会ったせいか、あまりシグレに反応を示さない。ふっ、私も大人になったって事かしらね。今世はまだ8歳だけど、前世の年齢足したら25歳だし。前世の親友、私は立派な大人になったわよ!




「あぁ、立派な変態だな」



何故だか前世の親友(口調はアレだけどちゃんと立派な女子だよ)が、そう言った気がしたけど、ここにその親友がいないんだから、きっと気のせいよね。


「魔法省……?何で魔法省が家に来るの?」


魔法省。それは、ここアストール聖王国で魔法に関する様々な調査・研究を行うお役所みたいな所である。


「お嬢様。昨日話しましたよね。本日はセリーナお嬢様の魔力検査をすると」


いつもポーカーフェイスなシグレだけど、何故か私をジト目で睨んでる気がする……いや!?覚えてますよ……えっと……確か……シグレがなんか言ってたけど、リーアお姉様に抱き寄せられて、そのリーアお姉様の匂いと言ったらその日も最高で……ん?あれ?リーアお姉様の匂いの事しか覚えてなくない?私。


「う〜ん……名残惜しいけど、国の決まりだから仕方ないわね」


そう言って私から離れるリーアお姉様。そんな!?待って!?リーアお姉様!?せめて後ひと嗅ぎさせてくださいな!!?

そんな私を見たリーアお姉様が苦笑を浮かべて私の頭を撫でる。


「大丈夫よ。セリーナ。終わったらまたたっぷり甘えていいから……ね♡」


「はぁ〜い……お姉様……」


名残惜しいけれど、リーアお姉様を困らせる訳にはいかないし……ここは大人しく引き下がるしかないわね……ガックシ……


はぁ〜……それにしても面倒よね〜……国の決まりで8歳になったら誰でも魔力検査しないといけないなんて……どうせならリーアお姉様の匂いを検査したいわぁ〜……いや、リーアお姉様なら検査しなくても最高級な匂いだったわね。

そういえば、リーアお姉様が8歳の時に魔力検査した時は光属性で、かなり高い魔力数値だったから、聖女様候補だと騒ぎになってたわね〜……聖女についてはよく分からないけれど、乙女ゲームのタイトルになってるぐらいだし、何か関係あるのかしら?


「はい。では、セリーナ侯爵令嬢。この台座に手を乗せてください」


「はい」


いや、ぶっちゃけ結果は見えてるのよね〜。私が悪役令嬢って事は、どうせしょっぼい結果なんでしょ?で、それが引き金になって姉妹仲が悪くなるパターンでしょ?まぁ、どうでもいいわ。さっさと終わらせて、リーアお姉様の匂いを再び堪能……


ボカンッ!!


「えっ?」


私が手を乗せた瞬間、魔力検査装置らしき物が木っ端微塵に破壊された。えっ!?何コレ!?コレって私が悪いの!!?


「そんな!?最新鋭の装置でも測定不可能な数値なのか!!?属性は!?属性判定は!!?」


「それが……あの……」


「何だ!?そっちも壊れたのか!?」


「いえ……壊れてないんですが……ある意味壊れてるかもしれないと言うか……」


「何だ!?どういう意味だ!!?」


「その……属性は……無属性です……」


「何だとぉ!!?」


何かリーアお姉様の時よりえらい騒ぎになってるけど、えっ?無属性って何?一体どういう事なの?


「凄いわ!セリーナ!セリーナはやっぱり私の自慢の妹だわ!!!」


「はぅわぁん……!?おねえひゃま〜……!?」


突然リーアお姉様に抱きつかれ、最早私の思考はリーアお姉様の匂いに包まれ、先程起きた事など、頭の中から抜け落ちていった……















そんな2人の様子を影から見つめる黒い影が2人。


「アレが噂の令嬢です」


「アレが……確かにこんな距離からでも物凄いいい匂いがするネ!」


影の1人は怪しい笑みを浮かべ


「ククク……!これは!商売繁盛の予感がするヨ!」


セリーナとリーアに怪しい魔の手が伸びようとしていた……

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