御身、しろがねの獣となりて

作者 ゆきを

10

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★★★ Excellent!!!

半妖人の朴訥な鍛治職人エルリフ。
抜き身の剣のごとく艶めかしく鋭く繊細なミーリュカ。
天上天下にツンデレな魅力を輝かせる錬金術師イズー嬢。
そして美しく気高く粗野な黒金の王エルスラン陛下……!
青血人や人狼人の脅威に慄きながらも多彩な文化・国家が交わり息づく魅力的な世界で、ただ一つの目標に向かってそれぞれの生き様を魅せてくれる登場人物たち。燃えと萌えの連続でアツアツの火床を転げ回るような興奮の読書体験でした!これは本で読みたい。重厚な表紙と挿絵の本で読ませてください。
特にお気に入りはダニーラ様です。人生がエモい、エモすぎるよダニーラ様。キャラが深い。好き。最後まで業が深くてかっこいいので大好きです。
あとミーリュカ! 彼の登場シーンの陶酔感は忘れられないです。ミーリュカに惹き込まれたらそこからはアッという間です。
壮大で骨太かつ美麗なファンタジィを軽快なセリフ回しで読ませてくれる本作は、イチオシの新本格ファンタジィです。

★★★ Excellent!!!

時に美しく、時に残酷に。
精緻に構築された架空王国で繰り広げられる珠玉のファンタジー小説!
複雑な出自から己というものがわからず、いまひとつ自信が持てずにいた主人公のエルリフ。そんなエルリフが国家の一大事に巻き込まれたことから物語がはじまります。
とにかく、盛り込まれた要素が多種にして多彩。主人公エルリフの鍛冶技術をはじめ、錬金術、魔術、そして人智及ばぬ神々の御業まで。幻想譚愛好家垂涎のキーをこれでもかと打ち込みながら、すべてを破綻させずにまとめ上げた手腕はお見事という他ありません。
中盤以降はとにかくフルスロットル。疾走に次ぐ疾走、困難と探究の果てにエルリフがたどり着いた<答え>にひたすら涙。読了の瞬間の充足感と爽快感は素晴らしいの一言に尽きます。
キャラクターも実に魅力的。殊に女性たちがそろって強く気高く美しい。個人的には魅惑の踊り子ことミーリュカがお気に入り。妙なる踊り子が如何なる存在であるか。ぜひとも、読んで確かめてべし!