第9話 魔人狩り
残りは……1000匹か……。
流石に少し疲れてきたな。
俺は順調に魔人を狩り続けているが、まだあの異質な魔力を持つ3匹の魔人は現れていない。
しかし感じる……この魔人たちの最奥にいるのを。
しかしこの魔力は……少しまずいかもしれないな……。
街にいる時には感じなかったが、近くまで来て感じる魔力の質は俺と同等かそれ以上。
「こいつは……かなりヤバイかもな……」
黙々と目の前の魔人を狩っておいく中で、3匹の異質な魔人はまだ動かない。
ただただ奴らから漏れ出る魔力を感じる。
「って雑魚は引っ込んでろ!」
塵も積もれば山となるというがそんな訳はない。
雑魚は雑魚、烏合の衆だ。
どれだけ数がいようと俺の敵ではない。
「まとめて消すか……」
俺はエクスカリバーを上段に構え魔力を込める。
輝く黄金の剣は光の柱となり雲を貫く。
少し暗くなっている景色に月明かりでもない光が煌々と周囲を照らし出す。
突如なにもない荒野だった場所から草や木が生まれ始める。
この剣の伝説は有名だ。
曰く「エクスカリバーが光を放てば命が現れる」
どうやら伝説の正体はこれのことのようだ。
「エクスカリバァァァァァァァァァァァ!」
天を貫く
エクスカリバーの光に当てられた魔人たちは光の粒子に変わり存在が消滅する。
しかし……。
「やっぱあいつらには効かないか……」
光の柱の中央、振り下ろしたはずの光が受け止められている。
砂埃の向こうにいるのはあの桁外れの力を持つ魔人3匹だ。
「おい! 今の光は貴様がやったのか?」
「俺達と同等の魔力持ちとは面白くなりそうだなぁ!」
「そーですねー。食べがいがありそうで何よりですー」
「っ!」
砂埃が晴れるとそこにいたのは
5メートルはある巨体には3面の顔、6本の腕、そして3つの魔力。
「そうか……そういうことだったか……」
奴ら……いや奴は3つの顔1つ1つに人格を持つ1匹の魔人。
顔ごとに俺と同等の魔力を持ちながら同一の体を有するという完全な
「これは……予想以上に厄介なことになりそうだ……」
額から冷や汗が流れるのを感じる。どうやら俺は初めて恐怖を感じているらしい。
正直こいつに勝てるかどうかはわからない。だがメルが待っている。
まぁ戻ってもまたいつもどおり怒られるだけだろうが……。
メルのことを考えるだけで笑っちまうな。
「早く妹のところに戻らないといけないんでね……。さっさと消えろ!」
3面の巨人と俺の攻防が始まる。
最強の兄はシスコンですがなにか? @falldoubt
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