第8話 魔人
「さて……シャルのやつは1万って言ってたけど、一応確認しとくか……」
俺は魔人の正確な数を把握するために、魔力感知を最大限に広げる。
「数は……1万2000か……。思ったより多いな。しかし問題は……」
1万2000の魔人。
その中には他と比べて明らかに異質な魔力を持った奴が3匹の魔人がいる。
「こいつらは……明らかにボスだな。まあとりあえず作戦は……正面突破だな!」
俺は身体強化魔法を10倍にして魔人の集団、その中の見覚えがある魔力のところに目標を定める。
そして10キロ以上の距離を一瞬にして詰めるスピートで突っ込む。
「なっ!」
聞き覚えのある声が聞こえたが、俺が突っ込んで声の主の体を吹き飛ばす。
音速に迫るスピードでの体当たりは声の主だけでなく、周囲にいた他の魔人も吹き飛ばし周囲にクレーターを作る。
「お、お前は……あの時の……」
俺が突っ込んだ相手は首だけになりながらも生きているようだ。どうやら魔人の生命力はゴキブリ並みのようだ。
首だけになりながらも生きているそいつはメルのパーティーメンバーだったあいつだ。名前は忘れたが。
俺は髪を掴み首だけになったそいつを顔の目の前まで持ち上げる。
「だから言っただろ? 殺すって」
そのまま顔を両手で思いっきりはさみメロンのように潰す。
血が飛び散り原型を失くした肉塊を火の魔術で完全に消滅させる。
「貴様! 何者だ!」
クレーターの底にいる俺を見下ろしている魔神たち。
数が多いだけにすでに俺は取り囲まれているようだ。
「エクスカリバー……いくぞ」
身体強化魔法を100倍に上げ、周囲にいる魔人たちを一刀両断する。
残りは1万1950匹。
所狭しといる魔人たちはやっと俺を敵と認識し攻撃魔法を準備する。さすが魔人というべきか発動スピードはかなり早い。火や水、雷、土といった様々な属性の攻撃魔法が俺に向かって一斉に放たれる。
俺はそれを調和魔法ですべて消し去る。
「なっ!」
「今のはなんだ!」
魔人たちは驚きを隠せないようで一瞬間があく。
おれはその隙にエクスカリバーに魔力を注ぐ。すると魔力の刃が形成され、長さが30メートルほどの刃になる。
俺は体を回転させエクスカリバーで周囲の魔人を両断する。
もちろん魔人たちはそれを防ごうと魔力の盾を形成するが、エクスカリバーの刃は魔力に干渉されない特性を持っている。形成された魔力の盾をすり抜け、魔人を一気に一刀両断する。
残り1万1900匹!
「チッ!」
後ろから放たれた攻撃魔法が背中に当たる。
少し焦げたがすぐさま治癒魔法をかける。
「一気に片付けるか……」
俺は右手に集中して魔力を注ぐ。
その間左手に持ったエクスカリバーで魔人を殺していく。
「残りは1万と……ってもういいや、めんどくさい」
俺の強さに気づいたのか魔人たちはある程度距離を取りながら攻撃魔法を放ってくる。
エクスカリバーを地面に刺し、防御魔法を展開する。この魔法は360度あらゆる魔法から俺を守ってくれる。欠点はその場から動けなくなり、俺から魔法を放てなくなるくらいだ。
しかし今はちょうどいい。俺は右手に溜めていた魔力を圧縮させる。
「なんだよ、あの魔法! 全然攻撃が通じない!」
「もっとだ! 当てまくれ! あいつの魔力が尽きるまで当てまくれ!」
魔人たちは俺の防御魔法に気を取られ、俺が本当は何をしているか気づいてない。
練り上げ圧縮した魔力を右手に宿し俺は防御魔法を解く。
「おい! 魔法が消えたぞ! 今だ!」
どうやら魔人といえど魔力の流れは見えないらしい。
右手に溜め込んだ魔力量に気づいてない。
さて……。
俺は溜め込んだ魔力を地面に流す。今考えた魔法だ。
「魔力開放。串刺しになれ」
途端に地面から魔力の剣が突き出てくる。
我ながら素晴らしい魔法だな。半径3キロ圏内の俺以外の魔力を持つ生物はすべてが魔力の剣に貫かれる魔法。
名付けて……
「串刺しパーティー・グランド」
ちなみに空に放てば空から串刺しにするバージョンも有る。その場合は串刺しパーティー・スカイだ。
魔人の残りは……1万か……。まだまだいるな……。
とりあえず急いで狩ってこう。
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