第三夜・闇を渇望する者、光を切望する者、


クラスで孤立していつも一人でノートに漫画を書いている牛頭宮明市ごすみやあけしは『魔人』という存在を主人公にした漫画を黙々と書いていた、それを下級生を漁りにきた上級生の不良に知られてしまった。


「強さってのはよ~そんなエスパーみたいには得られねぇんだぜ?この誇大妄想狂が!」


そのノートをビリビリに不良に破かれた。


「あっはっは!!ざまぁねぇな!お前なんて女を守ることの前にノートすら守れねぇ!」


その不良、佐野浜貴司さのはまきしはそう言って、教室から立ち去っていった。


ビリビリになったノートを牛頭宮明市は一人で集め始めたがクラスメイトの会話をしたことのないスクールカースト上位のギリシャ人のハーフである棗川なつめがわゼフィラがそれを手伝ってくれて、彼と会話を始めた。


「前漫画見せてくれた事あったよね?」


「あっ、え?あ、うん」


牛頭宮明市が戸惑いを見せながら肯定した。


「悪魔に選ばれた人間が『魔人』になって戦うやつだよね?ミノタウロスに選ばれた味方サイド幹部の『魔人』って自分自身をモデルにしてたヤツでコンプレックス爆発だったよね、それがとても哀れで面白かったんだ」


「あ、哀れ?」


「現実の君は本当はDQNみたいになりたいけどさっきのようにDQNに無抵抗になっちゃう、本当にだっさい、ださすぎてうける」


「は?それってどういう事だよ!」


集めていたノートの破片を自分自身で撒き散らした牛頭宮明市は彼女に耳元で囁かれる。


「この自分自身を投影した存在になりたい?私は『魔女』の末裔でね、そういう事、出来ちゃうよ?秋波しょうはは今回だけだからねぇ♥️」


「!!!!あっ、それってつまり?」


「こういう事♥️」


そして彼女にキスをされた。


「モ、モオオオオオオオ!」


肉体が膨れ上がり筋肉が増加するにつれ相対的に肉体の大きさも増幅していき、頭は牛の形をしていき、彼はミノタウロスになった。


「闇に生け贄をーーー」


幼い魔女は闇に渇望して、不敵に笑った。


👁️👁️👁️


佐野浜貴司は廊下を歩いていると後ろから悲鳴が聞こえた、振り替えると牛頭の化け物が自分めがけて爆走していた、それは怒り狂いながら廊下にいた生徒達を虐殺していった。


「なんだぁ!ありゃあ!」


逃げるがあっさり足を掴まれて持ち上げられて天井高くするされて、目の前の牛の頭と眼があってしまった、かなりの怒りを感じた。


「ゆ、許してくれ!い、いのぐぎゃ」


彼はそのまま食べられてしまった。


「モオオオオオオオ!!!」


ミノタウロスは咆哮をあげた、爆走は終わった、しかし、牛頭宮明市の暴走は続く。


👁️👁️👁️


勧善懲悪がバカにされる風潮、正義の反対は別の正義と言われる風潮、理想主義は現実主義に駆逐される定めという風潮、誰もが清き真心を忘れて久しい。


自分はきっとお子様思想と言われるだろう、甘ちゃん思想とも言われるだろう。


事実、それでは平和は保たれない。


何故なら自分の求める『光』がこの世に無くなって久しいがそれを常に切望するからだ。


と、首に十字架をつりさげて、白い詰め襟学生服をした喰狩誠也くらがりまさやは思う。


そして学校にテロリストというのは実際は多発している、そのテロリズムの多くは『魔物解放派』と呼ばれる者達で皆、魔導師から魔物における人権のような物の付与のために日々奮闘しているらしい、しかし、此度の話は違う、どうやら海外からやって来た『魔女』と呼ばれる存在が誰かをミノタウロスと呼ばれる牛人間へと姿を変えさせてしまったらしい、鵺とは『裏の権力者』、『影の宰相』という意味合いを持っていた、戦後、それは戦勝国のGHQの暗部が新たなる鵺になり日本を支配するという戦後レジームな形成された事を意味して、それにより日本は平和を得られたのだが白人の権威が増した、そして、『魔女』がたまに日本人を戯れに来るのだ、一例としてはとある『魔女』は魅了チャームを満員電車内で男に与えて、痴漢行為を促して、日本人を野蛮人扱いするらしい。


「何故こうも闇が跋扈する?」


彼は日本刀を腰に佩いていた。


その日本刀を親指で突き上げたり、親指をひっこんだりを繰り返して、鍔と鞘をカシャカシャと音を鳴らして苛立ちを表していた。


「僕は日本の秩序のためには白人様にケツだって向けるが日本に混沌を撒き散らす白人様は不本意だけど殺さないといけないんだよ」


そう校舎前で述懐して、校舎内に入り、桃色ツインテールの女子生徒を食べるミノタウロスとなった牛頭宮明市と対峙して、刹那、抜刀、そして、居合い斬りで十字に切断した。


そして、日本刀を鞘にしまったのだった。


「あらまぁ、もう殺したの?せめて戦闘前の叫び声か戦闘後の断末魔をあげさせて欲しかったなぁ、私、それを楽しみにしてたのに」


棗川ゼフィラが現れて四等分された死体の一つに痰を吐き捨てた。


「そうか、残念だったな」


喰狩誠也は彼女にそう言い、また、日本刀に手を触れて、もう抜刀しようとしていた。


「殺意早漏れさんねぇ、もう少し会話を楽しもうよ」


「耳が腐る」


「『魔女』は『魔物を産み出す力』と『魔術式』を放ったり出来るの、それは分かるでしょ?」


喰狩誠也は彼女の再確認に剣呑な空気にするかの如く殺気を増やしながら返事をした。


「それで?」


「魔物を産み出したのに、なんで『魔術式』を張り巡らせた校内に来るの?馬鹿なの?」


その言葉を言ったら、空間を炎が満たした。


「あは!燃えなさい!燃えて死になさい!」



「えっ?」


👁️👁️👁️


喰狩誠也が産まれたのは中国であり、彼は一人っ子政策により、黒孩子になった、そして金持ちに売られた、その金持ちはシリアルキラーであり、彼はそこで殺された。


しかし、それでは死ななかった。


目の前では違う子供達が彼に沢山、殺されてる、同じ手段でも自分は生き残る、とある少女はそんな彼を羨ましいと嫉妬していた。


そのとある少女は呆気なく死んでいった。


殴殺されても絞殺されても銃殺されても燃殺されても斬殺されても惨殺されてもーーー


彼は決して


彼はシリアルキラーの金持ちの半永久的に慰め者になった、死んでも生き返り、また殺される、そういう日々が半生続いてしまい、やがてシリアルキラーの金持ちは捕まり、ただ一人生き残っていた彼は秘密結社『トリニティ』と呼ばれる者達に保護されたのだった。


彼等の一人は自分にこう言った。


「世界は狂っているだろう?自分達は、君も分かるさ、いずれ、きっとね」


彼等は『人工魔物』と『人工魔導具』を創っっていた、どちらも人間を素材としていた、罪もない子供達が次々に犠牲になっていく、彼は犠牲になる前に研究所から脱走した。


次の日は隔離されてそこに魔素のガスをいれて、魔素耐久力を計測するテストがあった。


それでも自分は死なないと思うがそんな事よりもから逃げたかった。


逃げた後、自分は右目を前髪で隠したセーラー服をした寡黙な『凶剣士』と呼ばれる女子高校生に出会い、彼女から剣術を教わった。


アパート・ワンルームの部屋に居候させてもらい、時折河川時期で剣術を教わっていた。


彼女は自分にをくれた。


彼女はその後、『魔物解放派』の『爆弾魔』によって目の前で爆破されて、彼は自暴自棄になり、自分も爆破されたが死ななかった。


彼女の持っていた『魔導具』の日本刀は形見となって、今もそのまま使い続けている、ちなみに『爆弾魔』は自分を爆破した後、もう殺したと思い、その場から立ち去っている。


👁️👁️👁️


皮膚が溶ける、肉が溶ける、骨が見える、それでも生命はまだ持ち続けなくてはならない、死に向かっているのに死神からは決して抱擁されない、そんな肉体だ、人間は簡単に死んでいくが、彼は不死身なのであった。


「おい、まさか一つしか出せないのか?『魔術式』の重ねがけが出来ないなんて笑える」


彼はその火加減を馬鹿にして挑発をした。


「一つ?これでも何重に重ねたモノよ!」


彼女は彼のその言葉に激昂したが、彼は呆れ果てて言葉を返した。


「そうか、生温くてそう思ってしまった」


その言葉によって更に彼女は怒りを増して、彼女は幼稚的に地団駄をしてしまった。


「人間風情が舐めた口を聞くんじゃねぇよ!私は『魔物』から産まれた『魔女』!!人間の近緑種にしてその先を行く者よ!!!!」


それが彼女の最後の言葉になった。


「あっそ」


喰狩誠也はそう言って、そのまま、居合い斬りによって棗川ゼフィラを首ちょんぱした。

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