第5話【地下通路と隠し部屋】(2)
高貴な一族出身の彼女だが実は、魔力がなく、そのため冒険という危険が
「そんな急いで行ったら、転びますよ~」
僕がそう言ったのを聞いたか聞かずか、真相、分からないが、小さな石ころで
「痛~い!!これは重傷だよ!!」
明らかに演技だが、それに乗っかる僕の方が芝居がかっていた。
「あー、なんと痛ましい傷なんでしょう!!すぐに回復魔法を施さなければ!!」
棒読みでそう言うと、嬉しそうに「ニヤニヤ」している。
「やっぱり私の勇者君は優しいね」
そう微笑むと、いつの間にか傷は自然治癒し、仕切り直したように歩き始めた。
【結末まで残り1817文字】
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