第3話【お城を探検するよ】(2)


「もー!!勇者君遅いよ!!」


腕を組ながら不機嫌そうに彼女が僕を叱咤しったすると、数秒後には、まるで変わりゆく【山の天気】の様に今度はいきなり笑顔になった。


「それでね!!昨日気付いたんだけどこれを見て!!」


後ろ手を組ながら、嬉しそうに「くるくる」と回る彼女に僕は、見惚れていた。


「勇者君?おーい?私じゃなくてここだよ?」


ボーッとしている僕を見て目先に手を振りかざす。


「あー、悪い悪い。んで?どうしたの?」


「勇者君やっと起きた?ここにね【秘密の地下通路】発見したの!!」


嬉しそうな彼女の顔は、どこか無邪気な子どもの様に綺麗だった。


【結末まで残り2470文字】

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