第2話【お城を探検するよ】(1)


僕らが今いるお城は、町外れにあり、町から見れば一目で分かるほどの存在感を醸し出している。


ある【事情】があり町へは、行けないのだが彼女と2人暮らしでも悪くない。


「勇者君?立ち止まってないで早く行くよ!!」


手招きをする彼女は、駆け足で石畳の階段を降りてゆく。

古びた建造物なので、そこら中に自生しているコケが良いアクセントになっていて味気ない壁には、【抹茶色まっちゃいろ】【黄土色おうどいろ】【薄緑色うすみどりいろ】など地味な色が揃っている。


時々不思議な形があり、それを見ているだけでとても楽しい気分になる。


「ふ~ひゃふんひふよほほほ」

恐らく、「勇者君行くよ」だと思うのだが、階段したで叫ぶのは止めてほしい。

なに言ってるか分からん。


「世話焼きの【お姫様】のお世話でもしますかね……」


そう言って、ベットから降りると、頭を掻きながら彼女の元へ向かう。



【結末まで残り2742文字】

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