寂光院で何も見ないで帰ってきた件(1)
3年前の10月、愛知県犬山市の寂光院というところに行きました。
今さらWikipediaで調べてみると、本当はすばらしいところなのです。
だからこそ、私お得意の(時には行き先までもお任せする)タクシー観光において、時間があまりないことを告げた時に、だったらここだと運転手さんが真っ先にお勧めしてくれたんだと思います。
それなのにそれなのに、私ったらタクシー代をかけてそこまで行って、いったい何をやっていたのか、お寺そのものも、美しいとされる境内の景観も、降りかかった災難(いや、たぶん自業自得)のせいで、まったく何にも見ちゃいません。
(ちなみに、「もみじでら」と呼ばれてるらしいけど、紅葉の季節じゃなかったし……)
そんな運命を知る由もなくタクシーを降りた私。
まずは、運転手さんのアドバイスを拝聴——
曰く、ここから本堂まではそれなりにきつい石段があるけど、「スロープカー」があるから200円払ってそれに乗ったらいい、とのこと。
電動式で、レールの上を透明なエレベーターみたいなボックスが昇ったり降りたりする装置なんて、初めて見るじゃあないですか。
それはもう、絶対、乗りますよね。
運良く下に停まっていたので、一人で喜々として乗り込み、志納金を入れてレッツゴー。
ウィンウィンと上へ昇っていくわけです。
そして、終点として下りた場所がおそらく本堂だったはずなのに、そこから私は(端から見ると)わけのわからない行動に出ます。
まず、もっと上へと誘う石段(※1)があったので、当然上ってみる。こういう登る系の観光は、まず上まで行ってから攻め下ろしてくるのがいいと思ってるので。
が、上ってみた結果、わけがわからないところに到達してしまう。なにしろ、タクシー運ちゃんに言われるまま来ただけで、何の予備知識も持ち合わせてないもんで。
で、私がふらりと引き寄せられてしまうものに、坂道、脇道、狭い路地などがあるのだけど、ふと見ると、さらに坂道にして脇道っぽい狭い道(※2)があったのです。
なにしろ
当然、ふらりとその脇道に引き寄せられて行っちゃいます。
困ったことに、高いところに登りたがるクセもあるので、ダブルパンチですね。。。
そして、案の定、そこからが地獄だったんですよ。
登れども登れども、どこにも辿り着かないし、「○○まで何メートル」等の案内も何もまったくない。ひたすら、ところどころにお地蔵様だの墓石のようなものだのが次々と現れてくるだけ。
だんだんふつうに山っぽく険しくなってきて、ゆうべの雨で細いながら小川のように大量に水が流れて来てるようなところでは靴がびしょびしょになるし、当然、「私、ここでたった一人で何やってんだろう??」ってなってくるわけです。
ただ、空き時間でふらっと観光に来ただけなのに、いったいどこへ向かってるのかさえわからない苦行が続きます。
ふつうだったら、引き返しますよね。
でも、もういいだけ登ってきてるので、それも悔しいわけなのです。引き際をわきまえない女です。
何度も何度も、ここが終着点? って思うようなちょっと開けたところに出るんだけど、結局、狭いお墓(?)スポットみたいなのがあるだけ。さらに道は上へ上へと続いてます。
途中で、一度、明らかに登山のトレーニングをしてると思われる女性が下りてくるのに出会いました。そういう場所なんです。鍛えるのにもってこいな感じの。
あと、「遊歩道」だったか「散策路」だったか? そんなような木札は見かけたかも。もはや、この道ってお寺と関係ないんじゃない? みたいな。。。
でも、やっぱり行けば行くほどあとに引けなくなり、この先に何があるのか絶対見てやりたいって気持ちになりますよね。
だって、ここでやめたらこれまでの苦労が無駄になるし、もしすばらしいものが待っているなら、もったいないじゃないですか。その諦めの悪さと欲のせいで、山菜採りでは間違いなく遭難するタイプです。
そして、飲み水もろくになく、帽子もかぶらず、靴もふつうのタウンシューズで、汗だくだく、顔を真っ赤に息もゼイゼイ、ヘロッヘロのボロッボロになって、やっと私が辿り着いた場所は——
ショボい展望台でした。。。
うっそうと生い茂った薮(?)の隙間から、確かに街がチョロッと見えましたわ。。。(「三角点」って書いてあるものがあったような気がする)
上にあるのがこのショボい展望台だって最初からわかってたら、たぶん、いや絶対に、こんな死にそうになりながら山を登ったりしなかったよね、って感じ。
そこで、自治体の方にお願いなのですが、案内標識などは懇切丁寧に詳しく完備していただきたいわけなのです。
たかだか往復1時間足らずとは言え、”時間が命” の観光ではそれなりに響きますんで。
一つ目の言いたいことは、それです。(←自分のリサーチ不足を棚に上げる)
(続く)
※1:もしかしたらただの坂道だったかも。記憶が曖昧ですm(_ _)m
※2:これは確かに、石段ではなかったような気がします。
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