あの、アエロフロート。(2)
そして、さらに何がビックリするかって、「豪快過ぎでしょ」と思ったのだけど、おねえさんたち(一部、オバさん含む)がサービスのワゴンを押したり引いたりして客席を回る時、なんと、床のカーペットがワゴンの車輪にしごかれて、どんどんズリズリとズレて来て、機体の床が直に露出して来ちゃったんだけど、誰も気にしない。だから、誰も直さない。
カーペットは一部はちゃんと床に留められてるので、そこを中心に、留められてない方の端っこが何十度もズレて、ついには対角線状に盛り上がったシワができる。すると、ワゴンはそこに引っかかってますます動かしづらくなる。いよいよ誰か直すのかな~と思って見てると、おねえさんたちは「ふんっっ」と勢いつけて、力(ちから)ワザで無理矢理ワゴンを動かしこそすれ、誰もカーペットは直さないのでした。もちろん、お客がつまずこうが、おかまいなし。
今思えば、直してもすぐズレるから直さない、ということだったのだろうか??
そして、極めつけは、トイレ!!
これも、他の国の飛行機を知らないのでナンなんですが…アエロフロートのトイレの中で、日本国内では何年も何年も前に過去の遺物としてサヨナラしたはずの「ザラ紙」とご対面!!
もう、これ以上ないというくらいゴワゴワで灰色の紙が、10x15cmくらいのサイズに切って備えてあるのだった。。。
いや、それだけ見たら、おシリを拭くザラ紙だって思わなかったかも。だって、そのすぐ近くには、全然普通に白くて柔らかいロール状のペーパーがホルダーに取り付けてあるのだから。
にもかかわらず、そのザラ紙がまさしくおシリを拭くためのモノだってことを如実に示していたのは、壁に埋め込んであるゴミ捨てのフタに挟まっていた、明らかに実際に拭いたとわかる断片たち。んもぅ…フタにも、しっかりブラウン系のブツがついてるし。。。
っていうか、どうして、白くて柔らかいペーパーが備えてあるのに、使わないの?? もしかして、家でザラ紙使ってるのかもしれないけど、タダなんだし、ココゾとばかりに使えばいいのに。
アルムのペーターのおばあさんに白くて柔らかいパンを食べさせたくて、どんなにか自分だって白いパンを食べたいだろうに、食べずにガマンしていたハイジを思い出したゾ。(なぜだ!?)
私も、一瞬、白いの使っちゃいけないのかと思いつつ、ドキドキしながらもコッソリ(?)白い方を使ったわけで…ここで、ザラ紙を使う意味がわからない。慣れたヤツじゃないと、拭いた気がしないのだろうか。。。
それから、洗面台に置いてあるいろんなものをじっくり見ました。
ローションとか、コロンとか置いてあったみたいだ。その匂い——子供のころ、子供用の化粧品で遊んだ、その記憶がよみがえった。あとは、いつかどこかで、どっかのオヤジが匂わせていたムンとする感じ。これ以上言うまい。
そして、降りる時。
細かい雪が横なぐりに吹き付ける、シェレメチェボ空港。
いつ車輪が地面についたの?? って思うくらい静かに滑らかに飛行機は着地。そのうまさは、「パイロットが(元?)軍人だから」との説が…(真相は不明)。
滑走する窓から外を見ていると、軍服みたいないでたちで、絵に描いたようなロシア顔した青年がビシッと立って、誘導サインを振っている。
あぁ、ロシア。。。
頭の中で「ポーリュシュカ・ポーレ」が鳴り響くのを止められない。
一人感慨にふけってると、同行の先輩が「これが、有名な雨漏りか。。。」と、荷物を降ろしながら、窓の周りの壁などをこすっては、マジマジと手を見ている。
西側でお払い箱になった古い機体を安く買い取って使ってるからとかなんとか、コワいことをつぶやいてる。
雨漏りしても、飛べるんだ。。。っていうか、落ちなくてよかった!
アエロフロート、おもしろ過ぎる。。。今は、どうなのだろう??
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