私も脱藩してみる(2)〜高知の中心でTPP反対を叫ぶ!

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ここで、2012年に書いたものを転載します。檮原へ向かうバスの中で、あまりに激しく魅入られてしまった光景について。

前半のTPPについての話は、もう古くなってるのでスルーしていただいてもよいかと思います。

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わたくし、TPPに関しては、当初の猛反対から、大反対、反対…とトーンダウンはしてるものの、今でもまあ、どっちかというと、若干、反対の方に振れている。

反対派、賛成派のいろんな意見を聞いて、私の中では、TPPに参加した場合の一部の人にとっての夢物語的な数少ないメリットと、参加しなかった場合のデメリットの大きさ(あとから参加したら分が悪い、みたいな)のどっちを優先するかという、大ざっぱではあるけど実に選びづらい究極の選択みたいなことになっていて、決めろと言われても(誰からも言われてないが)決められない。


そもそも、ウソくさいことが二つある。

一つは、「交渉して、日本に有利なように取り決めていけばいい」って話。

今まで、こういうふうに期待されたことで、果たしてそのように交渉力が発揮されて有利になったことなんて、あっただろうか?

っていうか、日本ほど、交渉力(交渉における戦略的なことを含めて)のない国って、ほかにある??(なにより、お人好しなのがイカン)


もう一つは、「こういうことをチャンスとして生かせない方が悪い。現状にしがみつく人は、ほかの(賛成の)人の足を引っ張ってる」みたいな言い分。

私は、特に医療関係と農業関係に関して危惧しているのだけど、こと農業に限れば、それに従事してくれている人たちの多くは、語弊はあるけど、こういうチャンスを生かせないなどと上記のように非難されちゃうようなタイプの人たちであり、でも、この方たちが今までこうやって農業してきてくれて、かろうじて今の食料自給率なわけで(ここまですべて想像だが)、じゃあ、TPPに参加したら、その人たちはどうなる? もし、それによってその人たちの多くが農業を退くことになったとしたら、日本の農業はどうなる? っていうのが、全然明るく見えてこない。(もちろん私は、食料自給率を上げたい派)。


最初反対していた人たちが、次々と賛成派に取り込まれていく中、若干、反対の方に振れつつもフラフラしていた私の針は、ちょっと前、国内でも1、2を争うくらい広大な農地を持つ地域の人々でさえ「TPPが来たらムリ、太刀打ちできない」って言ってるって話を聞いて、ピタリとフラフラが止まった。もちろん、反対寄りの位置で。


そして、高知で。。。

わたくし、本当に今日のタイトルのように大声で叫びましたわ、心の中で。


高知では、ワケあって、梼原という山奥に行ったのだけど、そこはビーーーーーーックリするくらい段々畑な場所で、遠目に一見した限りでは、涙が出ちゃうような過酷な(?)世界、いや、見た目はこの世のものと思われないくらい美しく、それがまた涙を誘うのだけど、とにかく、アソコであのように農業をしてる人たちとTPPは、まったく相いれないように感じたのであります。

ほんと、これは、単なる私の直感的なイメージ。でもとにかく、あの人たちが苦労して、この段々に込めて来たものを守らなければいけない!! と、私は自らに使命を帯びて、上記のように叫んだのだわ。


いや~、それくらいインパクトありました、梼原の段々畑。(←これが一番言いたかった)


今まで、私のイメージの中にあった段々畑は、下からも見渡せるような山の斜面に開放的に広がってるっていうようなものだったのだけど、梼原(正しくは、そこに行く途中だったのだろうか?)のは、それとはまったく違うものだった。

周りが全然開放的じゃなく、山々を分け入ったところに点在する谷間にあるという感じで、国道とは思われない細いくねくね道をバスで上りながら断続的に目の前に現れる、いや、眼下にボッカリと掘れて見えると言った方がいいのだけど、そのたび、いちいちが秘境を垣間見たような気分にさせられる。

それは、緑深い断崖絶壁に(人の手じゃなく)神様の手によって作られたかのように、あるのです。

いったい、どうしてここにこのように畑を作ろうって考えついたのか??

そこがまず、あり得ないと思ってしまうような。っていうか、マジでいったいどうやって作ったん?


そこで思い出すのが、タクシーのオッちゃんが言ってた、県土の8割がたが山(or森林)ってこと。

あの段々畑は、高知の人たちの「生きる」という意思そのものなのかも。平地が少ないから山を切り開いてでも、そこで農業をやらなければ生きていけない、みたいな?

そんなシリアスドラマみたいなことを想像しちゃうくらい、激しく美しく、すごい光景でした。


※バスが動いてるので、写真が撮れなくて本当に残念。というより、撮りたいと思いつつ、あっけにとられ過ぎてカメラまで手が到達しなかったという感じ。

※バスの中からの目線で、通ったところだけを私の視力のよくない目で見た限り、そこは、一歩踏み外すと断崖絶壁の底まで落ちて命を失う、くらいな勢いの、すごい風景に見えたのだけど、実際の地形がどのようなものなのかはわかりません。あくまで、見た範囲で見えたように感じたことなので、あしからず。

※せめて、どこかのサイトでよい写真があったらリンクしようと思ったのだけど、私が見たのは幻だったと言わんばかりに、わりと開放的な棚田の写真しか見つからない。。。(;_;)

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というわけで、そのような車がすれ違えないような細いくねくねの山道(それでも国道だった)を上った先に、檮原の村があった。

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