第8話 

『魔物の襲撃だって!?早速イベントとはこいつはオモシロイ!』

「…。(なぜ喜ぶ。)」

『だってこのままの流れだったら明日から騎士と訓練といったゲームでいうチュートリアルだったじゃん。』

「…。(インプットされている知識にはチュートリアルは超大事とあるが。)

 創造主は何が言いたいのだ。


『ちっちっち~。そりゃゲームでのチュートリアルは大事だよ。ゲームやるうえでのお得情報があることがあるからね~。』

「…。(現実の方がお得情報とやらが手に入りやすいと思うが。)」

 分からないことがあったら直接人に聞けるし。


『なによりさっき思ったんだよ「あれ?よく考えたら訓練という名のチュートリアルとか見せられても俺自身は何も楽しく無くね?」って。』

「…。(本音はそれか創造主。まだ視覚は共有できないのに。)」

『まぁね~。それにマイモンスターの訓練中はゲームでもしとけばいいし。』

「こぶ。(はぁ。)」

 創造主は身勝手すぎ。


「あの救世主様。」

「こぶ?(なんだ?)」

 魔物の群れについて騎士から詳しい情報を聞いていた姫が話しかけてきた。


「魔物の群れについてなのですが、王都のすぐ近くにある森林に突如として現れたようでして、すぐに騎士団が討伐に向かうようです。魔物の種類や構成的にそこまでの脅威ではないのですが。」

「コブリコ(王都の近くに突如としてか。)」

 姫の雰囲気的によくあることではないのだろう。


「こんなことは今までありませんでしたので、即急に騎士団の方で対応することになりました。普段でしたら魔物専門のハンターにお願いするのですが。」

「コブブヌス(そんな職業があるのか。)」

『マイモンスターは狩られる側だな!』

「…。(創造主よ面白そうに言うな。)」

 ハンターには気を付けるか。


「それでご相談があるのですが、救世主様も騎士団に付いていきませんか?」

「こぶ?(なに?)」

 オデも魔物退治に参加しろというのか。ゆくゆくはとは考えていたが、オデはまだこの世界どころか自分の実力さえ把握できていないのだ。危険ではないだろうか。


「もちろん後方の方で騎士団の戦いを観ていただくことになります。救世主様はまだ魔物のことを知りませんので急に戦われて不意をつかれてしまう事態になりかねませんから。」

「コブヌココ(なるほどな。わかった参加する。)」

 それならば好都合だ。


『え~~。マイモンスターも戦おうよ?無双しようぜ無双。』

「…。(他人事だと思って…。)」

 発想がお気楽過ぎだ。


「了解してくれてありがとうございます!騎士団の方の準備が整い次第出発となりますので、しばらくお部屋でお待ちください。」

「こぶ。(わかった。)」

 オデは姫と別れ自室に戻った。



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