第3話 

『おつかれおつかれ~。歓迎パーティーは楽しめたかいマイモンスター?』

「…こぶ(楽しめたわけがない。)」

 オデはパーティーが終わった後、オデ用に用意された部屋に戻りため息をついた。


『ん~そうなの?ゲームをしながら聞いていた感じなかなか盛り上がっていたじゃん。』

「コブブコブ(悪い意味で盛り上がっていたのだ創造主よ)」

 聴覚のみを共有しているだけの創造主には分からなかったであろうあのパーティーでの異様な雰囲気を。物珍しそうな視線。困惑した表情…だけならまだしも明らかに敵意や侮辱するような視線があった。


「コブッブ(まぁ仕方がないか。)」

 オデは彼らからしたら異質な化け物であるのだ。人間の子どものような背の低くさ肌色も沼緑で醜い顔。本来であるなら彼らと同じ人間が召喚されるはずであったらしいから、オデのような化け物じゃショックを受けて当然か。

 勝手に召喚しておいてという怒りもあるにはあるが、それは結局はどうでもいい。オデが召喚されてしまったのは半分は創造主のせいであるし、それにオデと創造主のパスが強化されればオデを向こうの世界に創造主が召喚してくれるはずだ。


『せっかく初期装備から礼服(子供用)にお洒落してパーティーに参加したのにもったいないな~。』

「こぶ、ブブココ!(そういえば、初期装備がなんで腰蓑だけなんだ!)」

 パーティー前にこの部屋で渡されたパーティー用の服へ着替える際に気が付いたのだが、オデの服装は腰蓑一丁だけであったのだ。とても恥ずかしかった。


『いや~だってマイモンスターはゴブリンをモチーフにしてデザインしたからね。ゴブリンって言ったら腰蓑でしょ?』

「コブ!(そんなの知るか!)」

 インプットされている知識の中にはゴブリン=腰蓑のみっていう知識が入っているが、だからといって一般常識もインプットされているオデにとっては恥ずかしい!


『まぁ本当のところを言うと、ちゃんとした服はマイモンスターを目覚めさせる前に用意していたんだよ。俺はモンスターをデザインするセンスはあっても服をデザインするセンスは皆無だからね~。裸じゃなかっただけましだと思って許してよ。』

「コブブ。ココブブブコブコブ?(そういうことならしょうがない。ところでパスの方は強化終わったのか?)」

『もうちょいかな~。今のうちに服を腰蓑に着替えて置いたら?それともその服を迷惑料として貰って帰る?』

「…こぶ(…貰って帰る)」

 流石に腰蓑には戻りたくない。


『よし、このくらいパスを強化すればマイモンスターをこちらの世界に転送できるだろう。』

「こぶ!(ようやくか!)」

 これでやっと本来目覚めるべきであった世界に戻れる。姫には悪いが帰らせてもらおう。

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